7日の東京株式相場は続落。景気の先行き不透明感がある中、欧米長期金利の上昇傾向が懸念された。有利子負債の多い不動産や電気・ガス、建設株が業種別下落率上位、前期決算の速報値が予想を下回ったサカタのタネなど農林株も売られた。個別では、欧州委員会から制裁金を求められたキヤノンも安い。

  TOPIXの終値は前日比8.47ポイント(0.5%)安の1607.06、日経平均株価は64円97銭(0.3%)安の1万9929円9銭。

  コモンズ投信の糸島孝俊チーフポートフォリオマネジャーは、「米国株下落を受け、世界的な金利上昇のネガティブな面が意識された」と指摘。しかし、日米金利差の拡大を見越した「ドル高・円安の進行で相場は保たれ、下げそうで下げないイメージがある」と言う。

東証遠望
東証遠望
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  欧州中央銀行(ECB)が6日に公表した6月の政策委員会議事要旨によると、必要なら債券購入プログラムを拡大するとの一文を声明から削除することを検討した。ドイツ債は急上昇し、独10年債利回りは10ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の0.57%前後と1年5カ月ぶりの高水準となった。米10年債利回りも2.37%に上昇。テクノロジー株中心に売られた米国株は、S&P500種株価指数が5月24日以来の安値を付けた。

  米国の経済統計も低調だ。給与明細書作成代行会社のADPリサーチ・インスティテュートが6日に発表した米民間部門の6月雇用者数は15万8000人増と、市場予想の18万8000人増を下回った。前週の米週間新規失業保険申請件数は4000件増の24万8000件と市場予想に反し増加。7日には米雇用統計が発表され、いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は「雇用統計も下振れたら、米国株急落との警戒感が浮上した」と話した。エコノミスト予想では、非農業部門雇用者数の伸びは前月比17万8000人増。前月は13万8000人増。

  海外金利の上昇や米国株安を受けたこの日の日本株は、開始早々に日経平均が一時137円安の1万9856円と6月15日以来の日中安値まで売られた。ただ、その後は下げ渋り。午前10時10分すぎに日本銀行が指定した金利で無制限に国債を買い入れる指し値オペを通知、為替がドル高・円安方向に振れたことがきっかけになった。

  東海東京調査センターの長田清英シニアグローバルストラテジストは、日銀がオペなどで「10年債利回りは0.1%近傍で守ろうという姿勢を打ち出したことは日本株の安心感につながった」とみる。ドル・円は午前半ばの1ドル=113円20銭付近から一時同80銭台まで円が弱含んだ。7日の国内長期金利は、日銀オペの通知前に0.105%と2月以来の高水準に達していた。日銀によると、残存期間5年超10年以下の指し値オペの落札額はゼロだった。

  東証1部33業種は水産・農林や不動産、電気・ガス、その他金融、建設、石油・石炭製品、倉庫・運輸、証券・商品先物取引、小売など30業種が下落。保険や海運、輸送用機器の3業種は上昇。売買代金上位では、欧州委員会から買収・合併規則違反の異議告知書の送付と制裁金の要求を受けたキヤノンが売られ、四半期決算が不調とみられたセブン&アイ・ホールディングスも安い。パナソニックや三菱地所、鹿島、大阪ガスも下げた。半面、第一生命ホールディングスやSUMCO、KLab、ソニーフィナンシャルホールディングスは高い。

  • 東証1部の売買高は16億5375万株、売買代金は2兆2733億円
  • 上昇銘柄数は455、下落は1471
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