アジア金融危機が吹き荒れた20年前。マレーシアのマハティール首相(当時)は国際通貨基金(IMF)による救済を拒否し資本統制を敷くという思い切った行動に出て経済の異端者となった。

  アジア通貨急落の引き金を引いたトレーダーらを「暴利をむさぼる恥知らず」と呼び、通貨トレーダーという職業は「不道徳」だと断じた。1992年に英ポンドの空売りで膨大な利益を上げたジョージ・ソロス氏は、マハティール首相の政策は「破滅への処方箋」だとやり返した。

マハティール氏
マハティール氏
Photographer: Sanjit Das/Bloomberg

  そうはならなかった。マレーシア経済は縮小したものの比較的素早く立ち直った。資本統制はまずノーベル経済学賞受賞者のポール・クルーグマン氏が擁護。今ではIMFと世界銀行も場合によっては認めている。

  マハティール氏(91)は今も、20年前にマレーシアを瀬戸際まで追い詰めた通貨トレーダーが嫌いだ。クアラルンプールのアラビア風ビルの中にあるオフィスでインタビューに応じた同氏は「通貨トレーディングという商売が存在するべきではない」と述べた。「通貨を商品のように扱い作為的に相場を押し下げ、貧しい国にさらに多くの貧困をもたらすのは正しいことではない」と語った。

オフィス内のマハティール氏
オフィス内のマハティール氏
Photographer: Sanjit Das/Bloomberg

原題:Mahathir Still Hates Currency Traders 20 Years After Asia Crisis(抜粋)

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