イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長をはじめとする金融当局の高官3人は先週、資産価格の上昇に相次いで言及した。「金融の安定性に対するリスクの高まり」の可能性がその背景にあるのは確かなようだ。

  5日に公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録からは、少なくともそのように読み取ることができる。6月13、14両日の会合では、株価上昇は単にリスク許容度の高まりを反映したものだとの意見があった一方、「市場のボラティリティー(変動性)が落ち着いた状況」やバリュエーションの上昇に数人の参加者が懸念を表明したとされるためで、強迫観念からは程遠いものの、市場を巡る懸念が当局者の間でこのところ一段と顕在化しつつあるといえる。

  過去5年ほど株価や債券相場を押し下げかねない過ちを心配してきた米金融当局にとって、今では相場をあまりにも高く押し上げる危険性が急きょ取り沙汰されるようになっている。当局者はいつものように、資産バブルを膨らませることなく、景気刺激は続けるという絶妙なバランスを維持している。

  BNPパリバの株式・デリバティブ(金融派生商品)ストラテジスト、スチュアート・ウォーサー氏は電話取材に対し、「資産のバリュエーションに関してこうした議論の活発化が見られる。何が進行中か把握しようとし始めている」と指摘。「市場の行き過ぎ抑制を通じて金融の安定性を維持することに関心が高まっており、口頭での働きかけやバランスシート縮小が当局者の検討している手法だ」と語った。

  マーケットフィールド・アセット・マネジメント(ニューヨーク)のマイケル・シャウル会長兼最高経営責任者(CEO)は顧客向けリポートで、「FOMCを『市場の敵』と見なすことができる段階にはまだ達していないが、株式やクレジット市場の堅調は先行き一層急速な利上げの道筋を促す公算が大きい」との見方を示した。

原題:Now Fed Officials Are Starting to Wonder If the VIX Is Too Low(抜粋)

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