インドの複合企業タタの傘下部門は、自動運転システムを開発するために、バンガロール郊外にある非公開の実験場でインドの道路の混乱状況を再現している。

  それは、歩行者が気ままに道路を横切り、複数の車線が警告なしに合流することに加え、道路標識が不十分で、迷子の牛が道端で立ち往生する状況を作り出すことを意味する。

  自動運転車の開発競争においてインド勢による攻勢のけん引役となっているのは、複合企業タタ・グループやマヒンドラ・グループおよび新興企業や大学の工学部で、大手グローバル企業に闘いを挑んでいる。 近く世界3位の自動車市場になると予想されているインドは、たとえカオス状態の道路や規制がハードルとなっても、自動運転車で遅れを取りたくない考えだ。

往来の激しいコルカタの交差点
往来の激しいコルカタの交差点
Photographer: Sanjit Das/Bloomberg

  たとえ規制が変更され、自動運転車が承認されても、自動運転車を都市の交通に溶け込ませるのはインドでは特に一筋縄にはいかないだろう。近代的な幹線道路と舗装されていない道路が混在し、道路標識には一貫性がないほか、さまざまな乗り物が往来し、時にはゾウやラクダも迷い込む。

自動車は道路の真ん中にいる牛を避けて走行
自動車は道路の真ん中にいる牛を避けて走行
Photographer: Prashanth Vishwanathan/Bloomberg

  自動運転車の開発競争でリードするグローバル企業は、インドでの自動運転車の実現は困難だと考えている。昨年のインド訪問で交通の混乱を経験した米ウーバー・テクノロジーズの共同創業者トラビス・カラニック氏はCNBCに対し、世界で最も自動運転車が実現する可能性が低い場所はインドだと語った。その数カ月後に同国を訪問した米グーグルのサンダー・ピチャイ最高経営責任者(CEO)もこれに同意した。

  「一般利用のための自動運転車の実現は少なくと10年先の話だ」と、アジア最大のITサービス会社タタ・コンサルタンシー・サービシズでロボット工学部門責任者を務めるロッシー・ジョン氏が指摘した。同氏はインドの問題が究極の試金石となる可能性があるとの見方を示した。 「インドでうまくいけば、世界中どこでもうまくいく」と述べた。

原題:Driverless Cars Face Unique Challenges on India’s Chaotic Roads(抜粋)

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