中国株の次の有望な空売り対象を見つけたと考えているトレーダーは、ビッグ・ショート(世紀の空売り)ではなく、踏み上げ相場を自らお膳立てした恐れがある。

  これは中国最大の非国営金融企業、平安保険の株式空売り残高が6月に過去最高の540億香港ドル(約7800億円)に膨らんだ後、運用成績トップクラスのファンドマネジャーやアナリストから聞かれた意見だ。中国の主要企業の大半が上場する香港の証券取引所でも、同社株の空売り残高は群を抜く大きさだ。

  中国の監督当局による金融業界の取り締まりを背景に、悲観論者は平安保険株が売り込まれやすいと主張するが、香港で最も銘柄選別の能力が高いとされる一部投資家は異議を唱える。平安保険のバリュエーションは低い上、高い成長性や、中国政府の注目を避ける要領の良さを備えるため、年初来で34%の株価上昇は持続する可能性があるという。

  「レバレッジ・パートナーズ・アブソルート・リターン・ファンド」(運用資産1億1000万ドル)の運用担当者、アレックス・ウォン氏は「私ならショートを仕掛けない」と述べ、急成長する中国インターネット金融業界への平安保険の進出が一段高の引き金になり得ると指摘した。同ファンドは過去5年間、ブルームバーグが追跡する同種のファンドの99%を上回る成績だった。

  ウォン氏の見方通りなら、弱気派は痛手を受ける恐れがある。平安保険の空売り残高は6月23日時点で香港上場の発行済み株式総数の13.9%に達し、香港証券当局とウェブサイト・ドット・コムが2012年にデータ集計を開始して以来の平均である約10%を上回った。これに対し、香港全体の空売り残高の比率は平均で約1%。

原題:China’s Big Short Looks More Like a Big Squeeze to Investors (1)(抜粋)

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