殺虫・衛生薬品メーカーのフマキラー株が、1987年につけた1219円の高値にあと一歩と迫っている。強毒を持つ南米原産の「ヒアリ」が神戸港や名古屋港などに続いて大阪港でも発見され、出来高を伴って人気化している。

  同社株は、ヒアリ駆除による殺虫剤の需要拡大を見込む買いから、5日は取引時間中に前日比18%高の1208円に買われた。短期筋の利益確定の売りに押されて終値は1104円。名古屋港で発見されたアリがヒアリと確認された先月30日にも、株価は一時4.7%高を付けていた。

  同じく殺虫剤製造や害虫駆除を手がけるサニックス株も連日人気化し、一時東証株価指数(TOPIX)構成銘柄で上昇率3位を付けたが、終値は12.5%高の288円。このほかアース製薬が4.2%高の5970円、アサンテが4.9%高の2070円と関連銘柄に買いが広がった。

  フマキラーによると、同社が販売するアリ用殺虫剤はヒアリに対しても十分効果があり、神戸市で発見されたヒアリの緊急防除には、同社の殺虫製品が使用された。開発企画部の山里圭氏は、「販売店には、どの商品を使えばいいかなどの問い合わせがきている」とブルームバーグの電話取材で話した。ただ、現時点では通常の生産で対応できているという。

  環境省では国土交通省と主要7港で特定外来生物のヒアリの確認調査を行っている。3日には大阪港で調査を行い、先月30日に殺虫剤を使用した場所から約50個体の疑わしいアリの死骸を回収した。駆除した個体はヒアリと判明。これまでに大阪市を含め4カ所でヒアリが確認されている。4日にはヒアリの女王アリも確認され、地域周辺で繁殖の可能性が疑われている。

  ヒアリは攻撃性が強く、刺されれば死に至る場合もある。環境省はヒアリのような個体や巣を見つけた場合、地方環境事務所などに連絡するよう呼びかけている。

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