米国は北朝鮮が4日に発射したロケットは大陸間弾道ミサイル(ICBM)だったと確認した。ティラーソン米国務長官は4日、米国と同盟国への「脅威の新たな拡大」だと指摘、国連安全保障理事会で取り上げるだろうと述べた。

  ティラーソン長官は発表資料で、「国際的な脅威を除去するために世界が行動することが必要だ」とした上で、「北朝鮮の出稼ぎ労働者を受け入れている国や、北朝鮮に経済ないし軍事上の便宜を図っている国、国連安保理決議の完全な履行を怠っている国はいずれも、この危険な体制を支援し、ほう助していることになる」と論じた。

  安保理は5日午後、北朝鮮問題で非公開会合を開く予定。ヘイリー米国連大使が緊急会合開催を要請したと、同大使のスポークスマンが明らかにした。

朝鮮中央通信が公表したICBMの「火星14」
朝鮮中央通信が公表したICBMの「火星14」
Photographer: KCNA/AFP via Getty Images

  北朝鮮のミサイルをICBMと認めたことは、北朝鮮が米国のハワイ州ないしアラスカ州を攻撃する能力を持った可能性があると米国が分析していることを示す。ただし、核弾頭搭載ICBMで米国本土を攻撃する能力を獲得するにはまだ至っていないとみられている。

  北朝鮮の核の野望を巡る緊張は、金正恩朝鮮労働党委員長の行動でさらに高まっており、金委員長の行動を抑えることを目指す国際的な制裁や米中の圧力も効果がないことが示された。

G20

  7、8日にはドイツ・ハンブルクで20カ国・地域(G20)首脳会議が開かれるが、北朝鮮問題が主要議題になるのは確実だ。トランプ大統領はサミットに合わせて中国の習近平国家主席と会談する予定。トランプ大統領はここ数週間、中国の北朝鮮に対する影響力行使が不十分との認識を示唆していた。

  一方、北朝鮮は5日、国営メディアの朝鮮中央通信を通じて、金委員長は米国本土の攻撃が可能なICBMのテストを年内に行う「強い決意だ」と表明。今回のICBMは新たに開発された大型核弾頭が搭載可能で、大気圏に再突入する能力を試験したと説明した。

「贈り物」

  また朝鮮中央通信によれば、金委員長は、独立記念日を祝うために届けた今回の「贈り物」に米国は動揺しているはずであり、今後さらに贈るつもりだと述べ、米国が核の脅威を取り去るまで、核と弾道ミサイルを交渉の議題としない考えを示した。

  中国と韓国が緊張緩和に向けた北朝鮮との協議に前向きであるに対し、米国は金委員長が核プログラムを停止する場合に限り、交渉可能だと主張。トランプ大統領は、軍事行動も北朝鮮への対応の選択肢の一つだと述べている。韓国軍合同参謀本部によれば、米韓両軍は5日、弾道ミサイル訓練を合同で実施した。

  米国防総省のホワイト報道官は発表資料で、「今回の発射は、北朝鮮が米国と同盟国への脅威であることを引き続き示すものだ。われわれは精密攻撃能力を示す合同訓練を韓国と実施した」と語った。

  トランプ大統領は北朝鮮がミサイルを発射し、まだICBMだと発表する前にツイッターで、「恐らく中国が北朝鮮に大きな動きを取り、こうした愚かなことを完全に終わらせるだろう」と述べた。これに対し、中国外務省の耿爽・報道官は中国政府は北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長に圧力をかける上で「非常に重要」な役割を果たしてきたと反論した。

原題:U.S. Says North Korea Rocket Was ICBM, Warns of UN Action (1)(抜粋)

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE