3月に発売した新型ゲーム機「スイッチ」への期待感から上昇傾向が続いていた任天堂株が変調をきたしている。ゲーム関連にとどまらずグロース株の代表銘柄でもあるだけに、日本株全体での投資対象の変化を象徴している可能性がある。

  4日の任天堂株は一時5.4%安の3万4940円と、1月13日以来の日中下落率を記録。投資家の短期的な採算ラインである25日移動平均線も2カ月半ぶりに割り込んだ。売買代金は2241億円と約10カ月ぶりの高水準となり、東証1部全体の約9%を占めた。短期急騰でのテクニカル的な過熱感が残る上、米国金利に上昇圧力がかかる中で、高バリュエーションが許容されていた米テクノロジー株に調整色が強まっている流れが国内にも波及している。

  東海東京調査センターの隅谷俊夫チーフストラテジストは、日経平均株価が2万円を超える過程で任天堂株はリード役だったとしたうえで、「相場全体が下がれば任天堂に買いが入り、全体が戻すという役目を果たしてきた。任天堂が崩れると相場全体が慎重になりやすい」と指摘。個人投資家人気によりゲーム関連株は4-6月に上昇しており、「任天堂で損をすると他の利益が出ているグロース銘柄も売ろうと連鎖反応を起こす公算がある」とみる。

  3日の米国株は、エネルギー株や金融株が買われて米ダウ工業株30種平均は日中での最高値を付けた一方、テクノロジー株は売られナスダック総合指数は0.5%下げた。米国での金利上昇を背景に、4日の日本株市場でも自動車や金融、海運などバリュー系銘柄が買われる半面、食料品やサービス、通信、電機などグロース系銘柄は売られた。

  任天堂株が下げを拡大した4日午後には、TOPIXなど主要株価指数もマイナスに転じたほか、東証マザーズ指数やジャスダック指数も下げが拡大した。米欧の中央銀行が金融緩和の縮小や資産圧縮に向かう中、投資家の「警戒感は強い。日本株も全体は上がらないとみている投資家が多い」と東海東京調査の隅谷氏は話していた。

  任天堂株の4日終値は前日比5%安の3万5090円。TOPIXは0.3%安の1609.70ポイント、東証マザース指数は2.8%安の1149.62だった。

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