米国の空港は長蛇の列と人混み、セキュリティーチェックに嫌気が差す場所だが、荷物検査さえ終われば、ブティックやバー、レストランで遊興ざんまいだ。ここにジムもあったら、どうだろう?

  空港では待ち時間が数時間あっても、買い物や飲食以外にあまりすることがない。そこでオレゴン大学経営学大学院生だったシンシア・サンドール、タイ・メインゴールド両氏は空港でのジム営業がビジネスモデルとして成り立つのか考えた。唯一の障害はコストだろうと結論付けた2人は1月、「ローム・フィットネス」1号店をボルティモア・ワシントン国際空港にオープン。年内にあと2カ所の空港に開設するのが目標だ。25ドル(約2830円)の1日利用券にはレンタルウエアとシューズ、シャワー代が含まれる。

ローム・フィットネス
ローム・フィットネス
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  ロームの社長を務めるメインゴールド氏は通常のジムをそのまま空港に持ってきても、コスト構造が異なるのでうまくいかないとみている。6月28日にインタビューに応じた同氏はショッピングセンターでのジム営業と比べ、空港ジムは約5倍の費用がかかると指摘。空港という規制された環境がもたらすコストのほか、ウエア代や洗濯代、シャワー関連を含め用具および施設代が大きいと説明した。

  最高マーケティング責任者を務めるサンドール氏も「空港にジム建設する費用は街中にオープンするのと比べ、天文学的だ」と述べる。2人は第1号店を開く前に友人や家族などから150万ドル前後を調達したという。

ローム・フィットネスのシャワー
ローム・フィットネスのシャワー
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  ロームによれば、商業ベースで空港ジムが成り立つには幾つか必須項目がある。まず、年100万人以上が利用する主要ハブ空港で十分な人数のビジネス客を確保しなければならない。レジャー目的の旅行客では運動よりも道楽を優先させてしまう。第2に、空港ではセキュリティーチェックの無事通過が旅行客にとっての優先課題なので、ここをクリアした地点がジムの営業場所になる。第3に、ジムに場所を賃貸すれば空港全体の消費底上げにつながると空港側に納得してもらう必要があり、これが最も難しい問題かもしれない。サンドール氏もジムは消費金額でレストランにかなわないと認める。

  とはいえ、メインゴールド氏は「モールでも空港でもいかなる買い物環境でも、人々のストレスが少なければ少ないほど、消費額は増える」と述べ、空港にジムを置くメリットを強調した。

原題:Now Airports Have Gyms, Too(抜粋)

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