東京外国為替市場では円が全面高。米国の独立記念日による祝日を控える中、米供給管理協会(ISM)製造業景況指数の大幅な改善を受けた前日のドル買いの動きは一服。北朝鮮のミサイル発射や同国による重大発表への警戒から円買いが強まった。

  ドル・円相場は4日午後3時12分現在、前日比0.4%安の1ドル=112円98銭。朝方は一時113円46銭と前日付けた約7週間ぶり高値113円47銭に迫るなど堅調に推移したものの、仲値にかけてはドル売りが優勢となった。さらに北朝鮮によるミサイル発射の報道や同国による重大発表への懸念から、リスク回避の株安・円買いが強まり、ドル・円は112円89銭まで下げた。

  NBCフィナンシャル・マーケッツ・アジアのディレクター、デービッド・ルー氏(香港在勤)は、「前日の強いISM製造業景況指数を受けて、ドル・円やクロス円はロング(買い持ち)になっていた」と指摘。それだけに「北朝鮮による重大発表ということで、何が出てくるか分からないだけに、こうしたポジションは撤収せざるを得ないという感じになっている」と説明した。

  北朝鮮は4日午前9時39分ごろ、西岸より日本海に向け弾道ミサイルを発射した。政府は約40分間飛行し、日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下したと推定している。EEZへの落下は5度目。菅義偉官房長官が記者会見で発表した。その後、午後に入り、韓国の聯合ニュースが北朝鮮は平壌時間4日午後3時(日本時間午後3時半)に「重要な発表」を行う、と北朝鮮の国営ラジオを引用して伝えた。

  ISMが3日発表した製造業総合景況指数は57.8と前月の54.9から上昇し、2014年8月以来の高水準となった。2.9ポイントの上昇幅は13年初め以降で最大。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想中央値は55.3だった。

  CIBC証券金融商品部の春木康部長は、現在の為替相場について「ドル安の調整なのか、ドル高なのかのはざまに入りつつある」とし、ISM製造業景況指数が良好な結果になったことから「週末に控える米雇用統計に対して上振れ期待が高まっており、ドルを支えている」と指摘。その上で、「今のドル高が今後1カ月前後の中期的な流れになるかどうかという意味で、米雇用統計が焦点になりそうだ」と述べた。

豪ドル

  オーストラリアドルは全面安。豪準備銀行(RBA)はこの日、政策金利であるオフィシャル・キャッシュレートの誘導目標を1.5%に維持した。据え置きは市場予想通り。声明文では、雇用拡大が賃金上昇につながるか見極めが必要とのスタンスを示した一方、豪ドル上昇は経済の調整を複雑にするだろうと、足元の豪ドル上昇を警戒する姿勢を示した。

  オーストラリア・ニュージーランド銀行マーケッツ本部の吉利重毅外国為替・コモディティー営業部長は、「豪ドル高に対する懸念を示したのがRBAの主なメッセージだ」と指摘。欧州中央銀行やイングランド銀行、カナダ銀行と量的緩和の縮小や金利の正常化が意識される中、「RBAもこれに続くとの期待が高かった分、豪ドル売りになった」と述べた。

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