最大1385億円の公募増資を3日に発表した出光興産の株価は一時、東日本震大震災後の2011年3月15日以来、6年ぶりの日中下落率を記録した。大規模増資による既存株の価値の希薄化懸念が売り材料となっている。

  4日の出光の株価は一時、前日比14.2%安の2798円まで下落した。これに対し、出光との合併を目指す昭和シェル石油の株価は一時7.8%高の1133円まで上昇し、11カ月ぶりの上昇率を記録している。

  出光は3日、発行済み株式総数の3割に当たる新株を発行し、最大1385億円を調達すると発表した。国内外の投資や研究開発費、昭シェル株取得時に調達した借入金の借り換えなどに充当する。昭シェルとの合併に反対していた出光創業家は、新株発行により持ち株比率が下がり、昭シェルとの合併決議に対する単独での否決権を失う。このため新株発行差し止めの仮処分申し立てを検討している。

  野村証券の松本繁季リサーチアナリストは3日付のリポートで、「昭和シェル石油との経営統合の実現性を高める一方、希薄化懸念から株価が下落するリスクも考えられる」と指摘。出光は15年に英蘭ロイヤル・ダッチ・シェル(RDS)から昭シェル株を1株1350円と、当時の株価を上回る価格で買い取ることで合意したことを踏まえると、昭シェル株は「統合比率におけるプレミアム期待もあり、相対的に堅調に推移する可能性もあろう」と指摘していた。

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