4日の東京株式相場は反落。北朝鮮のミサイル発射で極東の地政学リスクが懸念され、テクノロジー株を中心とした米国株の先行き不透明感も重しとなった。任天堂や東京エレクトロンなど6月までの上昇が目立っていたグロース銘柄のほか、中小型株や新興市場銘柄が安い。

  TOPIXの終値は前日比4.71ポイント(0.3%)安の1609.70、日経平均株価は23円45銭(0.1%)安の2万32円35銭。TOPIXグロースとバリュー指数の推移をみると、グロースが0.6%安だったのに対し、バリューは0.1%高とプラスで終了。

  アイザワ証券投資顧問室の三井郁男ファンドマネジャーは、米国の独立記念日による祝日を控え、「海外の取引参加者が少ない中、日本のグロース株の代表格とみられる東京エレクトロンなど半導体関連株が下げ、市場センチメントに良くない影響を与えた」と言う。また、北朝鮮を巡る報道が「利益確定売りのきっかけになった」ともみていた。

東証アローズ
東証アローズ
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  北朝鮮は4日午前9時39分ごろ、日本海に向け弾道ミサイルを発射した。菅義偉官房長官によると、ミサイルは約40分間飛行、日本の排他的経済水域内に落下したもようだ。米国のトランプ大統領はツイッターで、「恐らく中国が北朝鮮に大きな動きを取り、こうした愚かなことを完全に終わらせるだろう」とつぶやいた。

  午後には、北朝鮮が平壌時間4日午後3時に重要な発表を行うと韓国聯合ニュースが北朝鮮の国営ラジオを引用して報道。韓国の文在寅大統領は国家安全保障会議で、韓米はミサイルが大陸間弾道ミサイル(ICBM)かどうかを分析していると述べた。

  きょうの日本株は、3日に米国で発表された供給管理協会(ISM)の製造業景況指数が2014年8月以来、ほぼ3年ぶりの高水準となったほか、為替が1ドル=113円40銭台と1カ月半ぶりのドル高・円安水準に振れたことを好感し、続伸して開始。日経平均は一時141円高の2万197円まで買われた。ただ、北朝鮮のミサイル発射後は徐々に失速。北朝鮮の重大発表報道を受けた午後は、円安の勢いが一服したのと同時に下落転換した。日経平均は2万円を下回る場面もあった。

  フィリップ証券の庵原浩樹リサーチ部長は、「米中首脳の電話協議の後というタイミングで北朝鮮が日本海に向けミサイルを発射し、北朝鮮は何をするか分からないという懸念がある」と話していた。リスク回避の動きから全般的にこれまでの上昇が目立っていたグロース銘柄、中小型、新興市場に売り圧力が高まり、TOPIXの時価総額・流動性別指数ではコア30が0.1%高だったのに対し、スモールは0.8%安。東証2部指数は1.2%安、マザーズ指数は2.8%安と大きく下げた。

  東証1部33業種はその他製品やサービス、空運、精密機器、電機、化学、食料品など24業種が下落。その他製品の任天堂は4月中旬以来、投資家の短期売買コストの25日移動平均線を割り込んだ。東海東京調査センターの隅谷俊夫チーフストラテジストは、日経平均株価が2万円を超える過程で任天堂株はリード役を果たしたとし、「任天堂で損をすると、他の利益が出ているグロース銘柄も売ろうと連鎖反応を起こす公算がある」と話した。輸送用機器や海運、鉱業、保険、その他金融、石油・石炭製品など9業種は上昇。輸送用機器は、6月の国内自動車販売が前年同月比13%増だったことなどが好感された。

  売買代金上位ではソフトバンクグループや東エレク、パナソニック、ローム、リクルートホールディングス、ブイ・テクノロジーが安い。増資による希薄化懸念の出光興産は急落。半面、トヨタ自動車やSUBARU(スバル)、芦森工業、JXTGホールディングス、オリックスは高い。出光の増資で経営統合確度が高まったとみられた昭和シェル石油は急伸。

  • 東証1部の売買高は18億5772万株、売買代金は2兆5054億円、代金は前日から22%増えた
  • 上昇銘柄数は530、下落は1374
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