東京外国為替市場でドル・円相場は上昇。米経済指標の発表や米地区連銀総裁講演などを控えて米長期金利が上昇したのにつれて、ドル買いがやや優勢となっている。

  3日午後3時29分現在のドル・円は前週末比0.2%高の1ドル=112円56銭前後。早朝は、2日投開票の東京都議選の結果を受けてドル売り・円買いが先行し、一時111円91銭まで下落した。その後は、徐々に水準を切り上げ、午後の取引終盤に112円65銭まで上昇する場面があった。主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.1%高の1185.21。
  
  ソシエテ・ジェネラル銀行の鈴木恭輔為替資金営業部長は、「都議選の影響は一時的だった。あくまで国政は国政ということ。内閣支持率が注目されるが、内閣改造などで対応する感じになっていくのだろう。今のままでは日本発の材料は期待しづらく、やはり米経済指標を見つつということなりそう」と説明した。「個別の米経済指標については多少の強弱はありつつも、そこまで悪い感じもせず、相場インパクトは限定的か。やはり重要なのはインフレ動向」と述べた。

  3日の米国では、6月の供給管理協会(ISM)製造業景況指数や5月の建設支出などが発表される。ブルームバーグ調査によると、ISM製造業景況指数は55.2、建設支出は前月比0.3%増加と前回から改善が見込まれている。また、セントルイス連銀のブラード総裁講演は同日、英国ロンドンで講演する予定。

  マスミューチュアル生命運用戦略部の吉田洋史シニア・ポートフォリオ・マネジャーは、「米連邦準備制度理事会(FRB)高官の発言も一貫して、インフレ鈍化は一時的というトーンが維持されているほか、リスク資産は高いが、金融市場のリスクは小さいという感じになっている」と指摘。「フェデラルファンド(FF)金利先物でも利上げの織り込みは非常に弱い。金利市場は利回り上昇方向に脆弱(ぜいじゃく)だと思う。来週にはイエレンFRB議長の議会証言もあり、淡々とした利上げペースが意識されやすそう」と語った。

  3日の米国債の時間外取引では、米10年債利回りが一時2.5ベーシスポイント(bp)高の2.33%程度に上昇した。

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  FXプライムbyGMOの柳沢浩チーフアナリストは、「解散総選挙の芽がなくなったと考えれば、それまでの間に景気をもう少し良くする形で支持率を上げる方向しか手がない」と指摘。「安倍政権が大型経済対策のアドバルーンを上げるとすると、株も売れないし、ドル・円も下がらない」と語った。

  この日の日経平均株価は小反発。前週末比22円37銭(0.1%)高の2万0055円80銭で取引を終了した。日本銀行が朝方発表した企業短期経済観測調査(短観、6月調査)では、企業の業況判断(DI)の改善が示された。

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  三井住友銀行の宇野大介チーフストラテジストは、「日銀短観DIは、製造業、非製造業、業態などで市場予想からかい離している感じではない。足元DIは3月から改善したが、先行きDIは少し悪化というパターン」と分析。「月例経済報告で景気改善の部分はあるが、インフレ目標2%まで距離があり、先行き不安感は消えない。日銀の出口戦略がどうこうと影響を与える可能性は低下している」と述べた。

  ユーロ・ドル相場は同時刻現在、0.2%安の1ユーロ=1.1406ドル前後。前週末は連日で一時1.1445ドルと昨年5月11日以来のユーロ高・ドル安水準を付けたものの、一段の上昇圧力は見られていない。

  三井住友銀の宇野氏は、「欧州中銀(ECB)は金融緩和策の出口をにおわせていたが、現実味を帯びてきた。FRBだけでなくECBの姿勢も変化している。ユーロは上値余地を探る展開」としながらも、「上昇スピードは落ちるだろう」と述べた。「目先のユーロ・ドルの上値めどは昨年5月3日の高値1.1616ドル程度。下値めどは1.13ドル程度」と言う。

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