日本銀行が発表した企業短期経済観測調査(短観、6月調査)の大企業・製造業の景況感を示す業況判断指数(DI)は3期連続で改善した。輸出、生産の持ち直しが景況感を押し上げた。

キーポイント

  • 景気が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた割合を引いたDIは大企業・製造業がプラス17と前回調査から5ポイント改善ーブルームバーグ調査の予想はプラス15
  • 非製造業はプラス23と3ポイント改善、2期連続-予想はプラス23
  • 先行きは製造業がプラス15、非製造業はプラス18とそれぞれ悪化
  • 2017年度の為替想定は1ドル=108円31銭と、前回調査(108円43銭)から円高水準に設定

背景

  大企業・製造業のDIは予想以上の上昇となり、2014年3月調査以来3年3カ月ぶりの高水準。同4月に消費税が5%から8%に引き上げられる前の駆け込み需要で伸びた数値に並んだ。

  日銀は6月の金融政策決定会合後の発表文で、景気は「緩やかな拡大に転じつつある」との判断を据え置いた。個人消費は「底堅さを増している」として、4月の「底堅く推移している」から判断を引き上げた。7月19、20両日の金融政策決定会合では、経済・物価情勢の展望(展望リポート)を策定し成長率と物価上昇率の新たな見通しを示す。

  一方、政府が発表した6月の月例経済報告は「景気は、緩やかな回復基調が続いている」として、総括判断を2016年12月以来6カ月ぶりに上方修正した。

エコノミストの見方

  • 野村証券の桑原真樹シニアエコノミストは電話取材で、「輸出主導の景気回復を反映し、全体的に強めだった」と分析した。個人消費も好調なことから、当面は「景気が落ち込むようなきっかけは見当たらない」としている。先行きについては、年後半の輸出鈍化に伴い、景気回復も鈍化するとみている。
  • みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは発表後のリポートで、「長期間にわたって景気拡大が続く中、企業の景況感は良好な水準を保っている」と指摘。一方、「日本経済全体で見た場合、持続的で力強いけん引役を欠いている」とも分析し、今後の展開を「過度に強気に見るべきではない」としている。

詳細

  • 17年度の大企業・全産業の設備投資計画(含む土地投資額)は前年度比8.0%増ー予想は7.2%
  • 中小企業の業況判断DIは、製造業、非製造業ともにプラス7といずれも改善-先行きはプラス6とプラス2へ悪化見込む
  • 大企業・製造業の自動車が原材料価格の上昇や需要の一服、新車効果の薄れで足元、先行きとも悪化ー日銀調査統計局の二宮拓人経済統計課長
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