3日の東京株式相場は小幅反発。日本銀行の企業短期経済観測調査(短観)が改善したほか、為替の円安推移が好感された。業況判断が好転した鉄鋼をはじめ、非鉄金属や繊維など素材株、輸送用機器や機械など輸出株の一角が堅調。国際原油市況の続伸を材料に石油株も高い。

  TOPIXの終値は前週末比2.51ポイント(0.2%)高の1614.41、日経平均株価は22円37銭(0.1%)高の2万55円80銭。

  三井住友信託銀行の瀬良礼子マーケット・ストラテジストは、直近の欧米金利の上昇は本来、「株式のプレッシャーとなるはずだが、日本の場合は円安というクッションで株価が守られている」と指摘。日銀短観で示された企業の想定為替レートよりドル安・円高とならない限り、「企業収益にはプラス」と話した。

東証内
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Photographer: Yuriko Nakao/Bloomberg

  取引開始前に公表された日銀短観(6月調査)では、大企業・製造業の業況判断指数(DI)がプラス17と前回3月の調査から5ポイント改善した。市場予想はプラス15。非製造業はプラス23と3ポイント改善し、市場予想と一致した。2017年度の大企業・全産業の設備投資計画は前年度比8%増、事前予想は7.2%増だった。今年度の想定為替レートは、1ドル=108円31銭と前回調査(108円43銭)からやや円高水準に設定された。

  きょうのドル・円相場は、1ドル=112円50銭台と前週末の日本株終了時112円ちょうどに対しドル高・円安方向に振れた。

  SBI証券の鈴木英之投資調査部長は、短観について総じて好調と評価。非鉄や鉄鋼など素材セクターの強さが目立つとし、「欧州経済が持ち直し、ドイツの物価は上昇傾向、ドルの実効レートが対ユーロで低下する局面に入ったことは今後の資源、素材価格に追い風になる」とみる。

  この他、財新伝媒とマークイット・エコノミクスが日本時間3日午前に発表した6月の中国製造業購買担当者指数(PMI)は、50.4と前月の49.6から上昇、市場予想の49.8を上回った。

  短観結果や為替動向、前週末の海外株式の堅調などを背景に、週明けの日本株はおおむねプラス圏で推移。ただ、TOPIX、日経平均とも午前には一時マイナス場面もあるなど上値を買う動きには乏しかった。日経平均の高安値幅は約66円と、3営業日連続で100円以下。東証1部の売買代金も前週末から2割以上減った。4日の米国市場は独立記念日の休場となるほか、米景気の先行き不透明感が投資家心理の重しになっている。6月30日発表の5月の米個人消費支出(PCE)は、PCEデフレーターが前年同月比1.4%上昇と予想(1.5%上昇)を下回った。

  一方、2日に投開票された東京都議会議員選挙は、都民ファーストの会が第1党となるなど小池百合子都知事の支持勢力が圧勝し、自民党は大敗。ただし、きょうの日本株に対し目立ったマイナスの影響はなかった。三井住友信託銀の瀬良氏は、「来年の国政選挙に向けた政策てこ入れが期待され、株式マーケットにとっては悪い話ではない」と受け止めている。

  東証1部33業種は鉄鋼や繊維、石油・石炭製品、非鉄、海運、その他金融、陸運など21業種が上昇。その他製品や金属製品、パルプ・紙、不動産、小売、保険、医薬品などなど12業種は下落。売買代金上位では芦森工業やJFEホールディングス、三菱ケミカルホールディングス、JR東日本、太平洋セメント、アサヒグループホールディングスは高い。半面、公募増資が嫌気されたユニゾホールディングスが大幅安、任天堂や東芝、グリー、ロームも安い。

  • 東証1部の売買高は16億109万株、売買代金は2兆510億円
  • 上昇銘柄数は1117、下落は767
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