銀行から逃げ出してヘッジファンドに移ったトレーダーたちが銀行業界に戻ってきつつある。

  英銀バークレイズは今月、米金利トレーディング事業立て直しのためクリス・レナード氏を採用した。同氏は米銀JPモルガン・チェースを去ってから10年の間に2つのヘッジファンドを設立していた。昨年終盤には銀行からロンドンのヘッジファンド会社ブレバン・ハワード・アセット・マネジメントに移っていたロベルト・ホーンベグ、クリス・リベリ両氏が銀行業界に戻った。

  リクルーターらによれば、これらの動きは通常の自然減ではない。ニューヨークとロンドンの銀行は金融危機の10年後に再び、興味深い勤め先になった。トランプ政権が規制を緩和してくれれば、自己勘定トレーディングの機会も増えるかもしれない。銀行側とは別に、ヘッジファンド側の要因もある。マクロ戦略のファンドの多くはもはや利益を上げていない。

  銀行やヘッジファンド向けの人材紹介会社ケネディ・グループのジェーソン・ケネディ最高経営責任者(CEO)は「今年の第4四半期か2018年の第1四半期にはもっと多くの人が自己勘定の取引に携わるためにヘッジファンドを離れて銀行に移るだろう」と話す。「職務と報酬の両面で銀行の魅力が増すだろう」と語った。

  米財務省は12日に公表した報告書で、数々の規則について当該の連邦機関が見直すことを勧告した。ウォール街は7年前に米金融規制改革法(ドッド・フランク法)が成立して以来、こうした規則について不満を表明していた。見直し点には年次ストレステスト(健全性審査)の調整やトレーディングに関する一部規則の緩和、消費者金融の監督機関の権限縮小などが含まれた。

  環境が好転しそうな銀行業界と対照的に、ヘッジファンド業界は逆風下にある。成績低迷の中で投資家は預かり資産の2%、投資利益の20%という伝統的なヘッジファンドの料金体系に反旗を翻し、同業界が優れた人材を獲得しつなぎ留める力は弱まった。著名ファンドが相次いで料金を引き下げたほか、ヘッジファンド・リサーチのデータによると昨年は閉鎖ファンドの数が新規設立を上回り、今年第1四半期もこの傾向は続いたという。

  ロンドンの幹部人材紹介会社パーセルのジョン・パーセル氏は「トレーダーが安全な場所を求めるのは無理もないし、銀行が業務の幅を広げられるなら、(ヘッジファンドから銀行への)この動きは理にかなっている」と話した。

原題:Traders Who Left Banks for Hedge Funds Now Heading Back to Banks(抜粋)

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