債券相場は上昇。前週末に長期債などの現物債利回りが大幅上昇したことの反動買いに加えて、日本銀行がこの日に実施した国債買い入れオペの結果を受けて、先物や中期債ゾーン中心に買いが優勢となった。

  3日の長期国債先物市場で中心限月9月物は、前週末比横ばいの150円11銭で開始。その後は徐々に水準を切り上げ、午後に入ると150円19銭まで上昇。結局は5銭高の150円16銭で引けた。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊シニア債券ストラテジストは、「きょうは米欧の金利が上がっていたことを考えれば底堅いという印象。先週末に意外感があるくらい金利が上がったので、その反動的な買い戻しもあったかもしれない」と話した。日銀買いオペについては、「7月の買い入れ計画では一部で減額観測も出ていたと思うので、減額がなかったことも追加的な安心材料。きょうのオペも変わりなく、サポート材料となった」と述べた。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の347回債利回りは、日本相互証券が公表した前週末午後3時時点の参照値より0.5ベーシスポイント(bp)低い0.08%で始まり、その後も同水準で推移した。先週末は一時0.085%と3カ月半ぶり高水準を付けた。新発2年物の378回債利回りは変わらずのマイナス0.12%で開始し、その後マイナス0.125%に下げた。

  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、中期債の堅調推移について、「海外金利上昇の影響でそんなに上値はないが、都議会選挙での自民党大敗を受けて、リスク回避的に短めのゾーンが買われている面もあるかもしれない」と述べた。

  超長期債は軟調。新発20年物の161回債利回りは0.5bp高い0.595%、6日に30年債入札を控えている新発30年物の55回債利回りは0.5bp高い0.85%に上昇した。

  6月30日の米債相場は下落。米10年債利回りは前日比4bp高い2.30%で引けた。金融緩和縮小の思惑が続く欧州債が売られ、米国債も引き続き売りが優勢だった。ドイツ10年物国債利回りは1bp高い0.47%程度と3月以来の水準に上昇した。

都議選 

小池東京都知事
小池東京都知事
Photographer: Yuya Shino/Bloomberg

  東京都議選は2日に投開票が行われ、小池百合子知事が率いる都民ファーストの会が第1党に躍進し、公明党などと合わせた支持勢力で過半数を獲得した。自民党は現有議席の半数以下となる大敗で、安倍晋三政権にとって打撃となった。

  バークレイズ証券の押久保直也債券ストラテジストは、「選挙での大敗は安倍政権になってから初めてなので、ヘッドライン的にはショッキングで、中長期的には政治的な不透明感が増す可能性はある」と指摘。ただ、「安倍政権への打撃を巡る一般的なイメージは金融緩和の修正と円高・株安だがどの市場もそうなっていない」と言う。債券市場では「これがポスト安倍の議論につながるわけではないし、今すぐ国政が変わるわけではないと冷静に受け止めている」と話した。

日銀買いオペ

  日銀はこの日午前の金融調節で、今月1回目の長期国債買い入れオペを実施した。残存期間「1年超3年以下」が2800億円、「3年超5年以下」が3000億円、「10年超25年以下」が2000億円、「25年超」が1000億円と、いずれも前回と同額。オペ結果によると、中期ゾーンの応札倍率は横ばい圏、超長期ゾーンは上昇した。落札金利は中期ゾーンが実勢をやや下回る強めとなった。

  岡三証の鈴木氏は、「オペ結果は中期ゾーンがしっかり。超長期ゾーンの応札倍率もそれほど上昇していない。午後の先物が上昇して始まったように、売り圧力は強くないとの判断だろう」と分析した。

日銀国債買い入れオペ結果はこちらをご覧下さい。

  財務省は4日、10年利付国債入札を実施する。347回債のリオープン発行となり、表面利率は0.1%に据え置かれる見込み。発行額は2兆3000億円程度。6日には30年債入札が行われる。

  岡三証の鈴木氏は、「10年入札は0.1%という目線がある以上、そんなに大きく崩れることは考えづらい。30年入札も続くため、上値を買う人はいないが、押し目を待っている人は仕方なく買うケースが多いのではないか」と指摘。「日銀オペの上限近い利回り水準になれば少し買っておこうという動きが多くなりそう。30年も入札を意識して0.85%まで上昇している部分もある。今週の相場が崩れるとは思いづらい」と述べた。

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