欧州の中でポルトガルは裕福とは言えない。だが50億ドル(約5620億円)規模に上るとされるサッカー選手市場で、最も影響力ある存在に育ってきた。

  今年も6月に解禁となった移籍期間でも、ポルトガル勢の動きが早速目を引いた。移籍が決まった有望4選手の合計移籍金額は実に1億6000万ユーロ(約205億円)。とくに同国の有力クラブ、ベンフィカに在籍していた23歳のエデルソン選手は、ゴールキーパーとして英イングランド・プレミアリーグで最高の移籍金でマンチェスター・シティへの移籍が決まった。

ベンフィカCEOのオリベイラ氏
ベンフィカCEOのオリベイラ氏
Photographer: Paulo Duarte/Bloomberg

  「ベンフィカの選手は安くはないと、誰もがわかっている。これまでの実績があるからだ」とベンフィカ最高経営責任者(CEO)のドミンゴス・オリベイラ氏は胸を張る。「売却した選手には成功してもらいたい。その選手が失敗すれば、われわれのブランドに傷が付く」と語った。

  ポルトガルは欧州最高の選手に輝いたクリスティアーノ・ロナウド選手を輩出。コーチとして最も成功した1人であるジョゼ・モウリーニョ氏、欧州中にネットワークを持ち選手移籍で数億ユーロの資金を動かす大物代理人のジョルジュ・メンデス氏もポルトガル出身だ。

今年のUEFAチャンピオンズリーグで優勝を決め、レアル・マドリードのチームメートから祝福されるクリスティアーノ・ロナウド選手
今年のUEFAチャンピオンズリーグで優勝を決め、レアル・マドリードのチームメートから祝福されるクリスティアーノ・ロナウド選手
Photographer: David Ramos/Getty Images Europe

  いまや最も資金が集まるスポーツとなったサッカーの世界で、ポルトガルは他国リーグに高値で売れる選手を養成する工場として機能し、選手売却の収益は生産ラインへの再投資に当てられる。各クラブは養成組織や学校、スカウトやファンを通じ、有望な選手を発掘するネットワークを国中に築いているほか、国内競合から引き抜くこともいとわない。

  これは宝くじのようなもので、外れも多い。だが、当たれば投資は数百倍になって返ってくる。ベンフィカなどポルトガルのトップ3のクラブは、過去6年間に他国リーグへの選手売却で約10億ドルを稼いだ。

原題:Ronaldo Soccer Factory Turns Into an Exporter Making Millions(抜粋)

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