7月1週(3-7日)の日本株はもみ合いが見込まれる。堅調な企業業績や国内景気、日本株の割安感が相場の支えとなる。ただ、米国株が高値圏で乱高下し、投資家はリスクテークに慎重にならざるを得ない。米景気の不透明感がくすぶる中、雇用統計などの経済指標が控えていることも、見極め姿勢を促す。

  3日に公表される日本銀行の企業短期経済観測調査(6月短観)では、大企業製造業DIは前回のプラス12から15、大企業非製造業DIはプラス20から23への改善が見込まれている。大和証券の佐藤光シニアテクニカルアナリストは、近年はDIが上昇する場合は「短期的な押し目形成のきっかけになり得るものの、中長期的にはエントリーの機会となる」と指摘する。ただ、企業業績は今期も過去最高益が見込まれ、日経平均株価の予想PERは14倍台と割安感が強い。東証1部の騰落レシオ、相対力指数(RSI)など株価指標面での過熱感もなく、大きく下がることはなさそうだ。

  米国では3日に6月のISM製造業景況指数と自動車販売台数、5日に連邦公開市場委員会(FOMC)議事録(6月13、14日開催分)、7日に6月の雇用統計が発表される。ブルームバーグ・ニュースによるエコノミスト予想では、ISM指数が55(前月54.9)、非農業部門雇用者数は前月比17万9000人増(前月13万8000人増)と、経済の堅調さが確認される見通し。米国のファンダメンタルズが大きく崩れるとの不安は小さい。

  もっとも、米国株市場ではフィラデルフィア半導体指数(SOX)が26-29日の4日間で4.4%下落、ナスダック総合指数は連日1%超変動しており、テクノロジー株の動きには警戒が必要だ。みずほ証券エクイティ調査部の三浦豊シニアテクニカルアナリストは、「米国株の不安定な動きから投資家はリスクを取りにくい」と言う。2日投開票の東京都議会選挙も売買材料になる可能性がある。安定した国内政治は海外投資家が日本株を評価する要素だけに、自民党が大敗した場合は慎重な見方が広がりかねない。6月4週の日経平均は前週末比0.5%安の2万33円43銭と、2週ぶりに下落した。

≪市場関係者の見方≫
SMBC信託銀行の山口真弘シニアマーケットアナリスト
「米国株安の影響で日経平均はいったん2万円を割り込んだが、1ドル=108円までは国内企業業績にマイナスにならず、PERやEPSの水準を踏まえても2万円から下を売り込むのは違和感がある。29日の米国株の下げは週末、さらに4日の独立記念日の休場を意識した持ち高調整の影響が出たに過ぎない。ISM指数や雇用統計などの経済指標はまちまちで、極端に悪くなければ中立、若干でも良ければプラスの反応になりそう」

セゾン投信の瀬下哲雄ポートフォリオマネジャー
「物価が上がらない中で米長期金利が持続的に上昇するシナリオは描きにくく、相場の潮目が変わることはなさそうだ。低金利に支えられてきただけに、欧州中央銀行(ECB)やイングランド銀行(英中銀)の総裁発言にやや過剰反応した。金利上昇が一服すれば、先が見通しにくい中では景気の影響を受けにくいテクノロジー関連株に再び資金が向かう可能性がある。 一番の懸念材料は米景気の失速だが、ISM指数や雇用統計で急激な悪化が示されることはないだろう」

明治安田アセットマネジメントの林秀執行役員
「米国は夏季休暇前と4-6月決算発表前で、利益確定が出やすい環境。米企業業績は好調のため米国株安は一時的だと考えているが、業績動向が確認できるのは7月半ばからで、来週はまだ調整含み。米国株軟調を受けて海外投資家が日本株でも手じまい売りを出す可能性。リスク要因は国内政治。都議会選では都民ファーストの会が躍進するとみられ、安倍1強体制に影響するかを海外投資家も注目している」

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