みずほフィナンシャルグループは、世界の再生可能エネルギー関連事業向け融資で首位の三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)に肉薄している。国内で積極的に取り組んでいる太陽光発電事業に関連した融資の獲得が寄与し、2017年上期(1ー6月)で2位に躍り出た。

  ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンス(BNEF)の29日現在のデータによると、プロジェクトファイナンス(主幹事分)による再生可能エネルギー事業向け融資額は6カ月間でMUFGが16億9700万ドル(約1900億円)とトップを走り、みずほFGが16億6200万ドル(約1870億円)と続く。昨年1年間ではMUFGや三井住友フィナンシャルグループ、欧州投資銀行がトップ3を占め、みずほFGは5位だった。

  BNEFによると、日本は16年の太陽光市場で年間に増えた発電設備容量では世界3位で、917万キロワット。これは原発9基分に相当する。政府主導による電力の固定買い取り制度を背景に、国内金融機関は再生エネルギー事業を成長戦略に掲げて融資を積極化。同時に日本銀行によるマイナス金利政策の下で、相対的に利ざやが見込める海外のクリーンエネルギー案件獲得にも積極的に乗り出している。

  みずほ銀行プロジェクトファイナンス営業部の田中利和次長はインタビューで、クリーンエネ ルギー融資について「メガソーラー発電所の開発を中心に国内で大きく盛り上がってきている」と述べた。みずほは、12年に政府が太陽光などで発電した電力を全量固定価格で電力会社が買い取る制度を導入したことを受けて再生エネルギー向け融資への取り組みを強化。今年は海外でもインドネシアでの地熱発電プロジェクトなどで実績を上げた。

ポストメガソーラー

  クレディ・スイス証券の三浦毅司アナリストは、再生エネルギー向け融資で邦銀の存在感が高いことについて「東日本大震災以降に太陽光などへの注目が高まったことを背景にメガバンクの取り組みが拡大し、利ざやが確保できて収益面への貢献からも取り扱いが増加している」とみている。

  国内案件の獲得について、みずほ銀の田中次長は「当行の強みでもある地域金融機関との協働で実績を上積みしていきたい」との意向を示した。政府が主導する地域創生への取り組みが全国で活発化する中、みずほ銀が全国に展開する営業拠点網を活用して「案件組成時から地域金融機関と連携していきたい」と述べた。

  MUFG広報担当の高原一暢氏は、世界の電力需要で再生可能エネルギーの比率が上昇する中、「各国の需要や制度の安定性にも留意しながら、引き続き積極的に再生エネルギー向けのファイナンスに取り組んでいく」と述べた。

  ただ、国内の太陽光からの固定買い取り価格は当初の1キロワット時40円から現在は同21円とほぼ半減している。田中氏は、太陽光案件について「買い取り価格の低下など事業環境の変化から、これまでのような拡大基調にならない可能性がある」と指摘。今後については「ポストメガソーラーとして陸海上の風力、バイオマス、地熱の発電事業で成長の可能性が高い」とみており、海外案件を手掛けたノウハウなどを生かしてて「新分野での案件獲得を目指したい」と語った。
 

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE