30日の東京株式相場は反落。テクノロジー中心に米国株が下落し、投資家心理が悪化した。リスク回避の動きから電機や精密機器など輸出株、食料品や情報・通信、サービスなど内需株まで幅広く売られ、成長期待のあるグロース銘柄が相対的に安い。

  TOPIXの終値は前日比12.17ポイント(0.7%)安の1611.90、日経平均株価は186円87銭(0.9%)安の2万33円43銭。日経平均は19日以来、一時2万円を割り込んだ。

  プリンシパル・グローバル・インベスターズの板垣均社長は、「米欧中央銀行の政策変更がイールドカーブに与える影響が懸念されている上、もしかしたら日本銀行もことし後半に何かやってくるのではないか、というスペキュレーションも入っている」と話した。

東証内株価ボード
東証内株価ボード
Photographer: Akio Kon/Bloomberg

  29日に発表されたドイツの6月の消費者物価指数(CPI)速報値は、欧州連合基準で前年同月比1.5%上昇し、前月の1.4%を上回った。市場予想は1.3%。同日の欧州債市場では、ドイツ国債への売りが継続。この影響で米国債も下落し、米10年債利回りは2.27%と4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇、イールドカーブはスティープ化した。国内でも長期金利が上昇した。

  大和証券投資戦略部の石黒英之シニアストラテジストは、「米欧の中央銀行は粛々と金融正常化に向けて動き出そうとしており、市場とのギャップをマーケットが修正する局面に入ってきている」と分析。株式市場のよりどころだった低金利の前提も崩れてしまい、「その気迷いの象徴がナスダック」とみている。こうした環境下では、ITや食料品、サービスなど高PERのグロース株は売りが出やすいとの認識を示した。

  29日の米国株は投資資金がグロースからバリュー銘柄に流れ、エヌビディアやアルファベットなどテクノロジー株中心に下落、ナスダック総合指数は一時2.4%安と大きく下げた。水戸証券投資顧問部の酒井一チーフファンドマネジャーは、「バリュエーションが歴史的に割高ながらも、業績堅調と金余りから買われていた米国株がいよいよ頭打ち感が強くなり、チャート上も大きめの陰線が出るようになってきた」と指摘。投資家はテクノロジー中心に株式のオーバーウエートを縮小させており、「この流れは日本も含めたグローバルの株式需給に影響しそう」と言う。

  日経平均は一時273円安まで売られ、およそ2週間ぶりに2万円を下回った。ただ、TOPIXの1600ポイントとともに、節目割れの水準では見直し買いも入った。「金利上昇ペースが速過ぎなければ、株式市場から降りるのはまだ早い」とプリンシパルの板垣氏はみている。

  東証1部33業種はその他製品や食料品、その他金融、サービス、証券・商品先物取引、情報・通信、精密機器など30業種が下落。鉱業や鉄鋼、保険の3業種は上昇。売買代金上位では任天堂、リクルートホールディングス、オリックス、ブイ・テクノロジーが安い。半面、野村証券が業績予想を増額した住友化学のほか、三菱重工業やJFEホールディングスも買われた。

  • 東証1部の売買高は19億6897万株、売買代金は2兆6024億円、代金は4日連続で増え、16日以来の多さだった
  • 値上がり銘柄数は490、値下がりは1409
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