中国がコントロールする全領土の中で、香港ほど北京に盾突いてきた地域はここ数年なかった。

  中国の習近平国家主席が29日に香港を訪れた。2012年に中国共産党総書記に就いてからは初の訪問だ。習氏がトップの座に上り詰めて以来、香港は中国本土による侵害と見なされる行為に対する抗議デモや、香港独立を主張する「本土派」の台頭などで大きく揺れ動いてきた

香港到着後に話す習主席
香港到着後に話す習主席
Photographer: Anthony Kwan/Bloomberg

  7月1日の香港返還20周年に合わせた3日間の訪問で、習主席はこうした動きに正面から向き合うことになる。滞在中、習主席は特に中国本土との一体感が薄い若い世代に向けて2つのメッセージを発するとみられる。中国指導部の権威に挑むことがないようにとの警告と、より緊密な関係を結ぶことの恩恵の強調だ。

  習主席は香港国際空港に到着後に記者団に対し、「香港は常に私の心の中にある」と発言。「中央政府はこれまで通り香港の発展を支持する」と述べた。

習主席の訪問を控えて付近にバリケードが築かれたバス停で待つ人たち(6月28日)
習主席の訪問を控えて付近にバリケードが築かれたバス停で待つ人たち(6月28日)
Photographer: Justin Chin/Bloomberg

  中国共産党に批判的な本を販売していた香港の書店関係者を中国当局が拘束するなど、最近の一連の事件は中国の権威主義体制が香港の言論の自由や司法の独立、民主主義的な制度を侵害するとの懸念を強めた。

  一方で、中国経済の躍進に乗って財産を築いた香港のエリート層が北京に抵抗する誘因はほとんどない。また、香港経済が中国経済全体に占める割合は20年前には19%だったが、今や3%程度にすぎない。こうしたことも反体制派を経済成長の妨げと見なす中国指導部の立場を強める結果となっている。

  香港社会のこうした分裂は、習主席の訪問を前に現地の緊張感を高めてきた。対立するグループが街に繰り出す準備を進める中、香港当局は現地の警官2万9000人の3分の1余りを24時間体制で配備する予定だ。

原題:Xi Walks Into Fiery China Debate in Landmark Hong Kong Visit (2)(抜粋)

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