29日の日本株市場で、株価変動材料のあった銘柄の終値は次の通り。

  J. フロント リテイリング(3086):前日比8.7%高の1746円。2017年3-5月期営業利益は前年同期比37%増の130億円だったと28日に発表した。大丸創業300周年企画やインバウンド販促強化などで主力の百貨店事業が8割超の増益となった。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、大型新店の開業費用計上で営業利益は伸び悩む可能性があったが増益を確保、事業利益段階でも増益で既存事業のコストダウンは着実に進んでいると評価。決算の印象はポジティブとした。

  日東電工(6988):3.8%高の9363円。メリルリンチ日本証券は投資判断を「中立」から「買い」、目標株価を8800円から1万1200円に引き上げた。ライフサイエンス分野の成長性の高まりを評価した。肝硬変治療薬ND-L02-s0201はグローバル提携したブリストル・マイヤーズ・スクイブにより17年中に第2相b試験に入る見込みで、需要が大きく有効薬剤が限られる市場で世界売上高50億ドルの可能性を見込む。

  第一三共(4568):2.9%高の2615.5円。UBS証券は投資判断を「売り」から「買い」に2段階引き上げ、目標株価を1900円から3400円に変更した。がん治療薬「DS-8201a」はロシュの乳がん治療薬「カドサイラ」を置き換えるだけでなく、HER2低発現患者にも奏功する可能性があり、市場が大きく拡大すると予想。19年に米国発売を予想する同剤で業績は回復基調になると想定し、第一三共株をトップピックとした。

  ニトリホールディングス(9843):6.8%安の1万5070円。3ー5月期営業利益は前年同期比5.6%減の257億円だったと28日に発表。人件費や新規出店に伴うコスト増が響いた。決算を受けモルガン・スタンレーMUFG証券は、投資判断を「オーバーウエート」から「イコールウエート」に引き下げた。店舗間の自社競合リスク、大規模物流センターや出店加速による固定費負担増、中国での費用先行で営業増益率の拡大が期待し難いと分析した。

  黒田電気(7517):4.1%高の2313円。29日に開かれた株主総会で投資会社レノが提出した社外取締役選任の株主提案を可決。レノは経営統合推進や株主還元拡充などが必要だとして経済産業省出身の安延申氏を社外取締役に選任するよう求めていたが黒田電は反対意見を表明していた。SBI証券の藤本誠之シニアマーケットアナリストは、今後はレノ側の施策が通り始めると期待され、個人などの買いが入ったとの見方を示した。

  銀行株:三井住友トラスト・ホールディングス(8309)が2.3%高の4019円、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)が1.1%高、三井住友フィナンシャルグループ(8316)が1.2%高。28日の米国債市場では2年債利回りが前日比2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下し1.35%となる一方、10年債利回りは2bp上昇し2.23%。イールドカーブがスティープ化した。カブドットコム証券の山田勉マーケットアナリストは、米長期金利が上がり、世界的に金融株が買い戻されている中、日本の銀行株でも出遅れ修正が起きていると述べた。

  東芝(6502):3.7%安の277円。米ウエスタンデジタル(WD)がメモリー事業売却の入札手続きを妨害していると損害賠償請求訴訟を起こしたことについて、米国モーニングスターの伊藤和典アナリストは、両社の争いが法廷闘争という最悪に近いシナリオになり、東芝メモリが売却できないというリスクが意識されているとの見方を示した。売却ができない状態が長引けば東芝の債務超過が解消できず、上場廃止につながってしまう可能性もあるとも指摘。

  シンフォニアテクノロジー(6507):12%高の445円。ジェフリーズ証券は投資判断「買い」、目標株価600円で調査を開始。FAシステムを手がける同業他社との比較でまだ評価余地があることやバランスのよい事業ポートフォリオを評価した。18年3月期から20年3月期にかけて年間の営業利益は34%上昇すると予想、市場は同社の中期業績を過小評価しているとみる。

  カネ美食品(2669):1.8%高の3400円。ユニー・ファミリーマートホールディングス(8028)はカネ美食品株式を追加取得し子会社化すると29日午前に発表した。伊藤忠商事などから株式を取得、議決権比率を26.05%から52.47%に引き上げる。弁当や総菜などを手掛ける同社を子会社化することで中食の品質向上や売り上げ拡大を図るのが狙い。

  めぶきフィナンシャルグループ(7167):2.3%安の421円。野村証券は目標株価を450円から410円に引き下げた。投資判断「中立」を継続。統合によるシナジー効果の計画達成に向けて取り組んでいるが、業績モメンタムは他行とおおむね同様の動きをすると考えられ、株価に特段の割安感はないと指摘。18年3月経常利益予想を従来の634億円から584億円に、19年3月期を642億円から544億円に下方修正した。

  トリドールホールディングス(3397):3.9%高の2931円。みずほ証券は投資判断「買い」、目標株価3550円で調査を開始。運営する「丸亀製麺」は臨場感演出による顧客満足度の向上、高付加価値化による高利益率を享受し、未進出地域への店舗展開の容易さなど多くのメリットを持つと評価した。

  アスクル(2678):2.3%高の3410円。6月の単体売上高は前年同月比2.6%増だった、主力のBtoB事業は6.3%増(稼働日修正後で3.7%増)と3カ月連続でプラス。倉庫火災の影響で3月以降に大きく落ち込んだ個人向け日用品通販のLOHACOは21%減だが、減少率は3月の47%、4月27%、5月28%に比べると縮小傾向にある。  

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