日立建機は鉱山機械や建設機械の部品供給や維持補修などのアフターサービス事業を拡大する。鉱山機械向けの部品サービスを手掛ける海外メーカー2社の買収をてこに、アフターサービス事業での売上高を3年後に6割増の4250億円とすることを目指す。新規需要が伸びない中でも一定の利益を出せる体制の構築を図る。

  資源価格の下落を背景に鉱山会社はコスト削減のため、1台10億円もの機械を新規に購入するより、部品交換などによってより長く使用する傾向が強まっている。平野耕太郎社長は27日のインタビューで、今後市況が回復したとしても鉱山会社のこうした取り組みは変わらないとの見方を示し、機械販売で「完結しない」継続的なサービスを手掛けることで収益拡大につなげる方針を示した。

平野社長
平野社長
Photographer: Akio Kon/Bloomberg

  日立建機は昨年12月に米H-Eパーツ、今年4月にオーストラリアのブラッドケンを相次いで買収した。買収総額は約750億円。H-Eパーツが強みを持つ地域は豪州や北米、南米地域。アフリカやロシアでは事業を展開していない。日立建機がザンビアに持つ拠点を活用して、H-Eパーツがアフリカで事業に乗り出すことができないか検討するほか、アフリカやロシアに強い部品メーカーを買収する可能性もあると述べた。

  一方、ブラッドケンの地域別売上高は、豪州・ニュージーランドと北米が中心だが、石炭や鉄鉱石、銅、金など幅広い鉱山を顧客対象に持つ。

  日立建機の推定では、世界の油圧ショベル需要はピーク時の2011年3月期に23万台に達した。ところが、中国の需要が大きく減少しており、18年3月の世界需要は17万5000台とピーク時から2割以上減少した水準を予測。今期から3年間の世界需要は横ばいが続くとの前提を置いた。為替相場の前提も今期は1ドル=105円、残りの2年間は同100円としている。

中古建機事業も「有望」

  4月に就任した平野社長は「この3年間で約束した利益をまず出せる体制にする」と語った。20年3月期の株主資本利益率(ROE)の目標は9%。アフターサービス事業の利益率は高く、17年3月期実績の2%から大幅な改善を見込む。「これまでアフターサービス事業は日本や欧米など先進国でのビジネスモデルだったが、新興国でも広がりつつある」といい、新規需要が伸びない環境下でも利益率を引き上げる。

  日立建機の17年3月期のアフターサービス事業の売上高は約2640億円と全体の35%。20年3月期の全体の売上高は8500億円を計画しており、その5割をアフターサービス事業が占めるとみている。H-Eパーツとブラッドケンの買収により、18年3月期は896億円の売上高の貢献を見込む。「20年3月期には1000億円にはなる」と予想している。

  さらに、「有望」とみているのが中古建機事業。これまで国内で下取りした中古建機は中古車業者に販売していたが、今後は日立建機が修理した上で海外の代理店を通じて販売していく方針。例えばベトナムでは新車の建機需要が年間300台に対して、中古建機の需要は同3000台に及ぶといい、中古建機を販売した後の部品サービス需要の取り込みも狙う。

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