欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:中銀総裁の発言で揺れる、ポンドは2カ月ぶりの大幅高

  28日のニューヨーク外国為替場ではポンドやユーロ、カナダ・ドルが上昇。主要中央銀行総裁の発言が材料視される中、ポンドはドルに対し2カ月ぶりの大幅高。ユーロは欧州連合(EU)離脱を決めた英国民投票以来で初めて1ユーロ=1.14ドル寸前の水準まで上昇した。

  ニューヨーク時間午後5時現在、ポンドは対ドルで前日比0.9%高の1ポンド=1.2926ドル。ユーロはドルに対し0.3%高の1ユーロ=1.1378ドル。主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.4%低下。ドルは円に対して1ドル=112円30銭と、0.1%未満の値下がりだった。

  イングランド銀行(英中央銀行)のカーニー総裁はこの日、ポルトガルで開催された欧州中央銀行(ECB)フォーラムで、「金融政策委員会(MPC)が認識する問題が解消に向かい、それに伴って金融政策の決定が従来式のものに近づくようになれば、金融政策による景気刺激をいくらか解除することが必要になる公算は大きい」と指摘。今はまだ金融引き締めを開始すべき時でないと慎重だった前週から、姿勢の反転を示す発言と市場は受け止めた。これでポンド・ショートの買い戻しが活発になり、ポンドはドルを含む諸通貨に対して上昇した。

  ユーロは不安定な値動き。ドラギECB総裁がこの日、市場にタカ派的に解釈された前日の自身の発言を訂正も釈明もしなかったことから、一時は1ユーロ=1.1391ドルと2016年6月24日以来の高値に上昇した。

  カナダ・ドルは米ドルに対し1.2%上昇。カナダ銀行(中銀)のポロズ総裁とパターソン副総裁が利上げ検討を示唆した後、2月以来の高値に達した。ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物がこの日続伸したことも、資源国通貨のカナダ・ドルを押し上げた。

  このほか、5月の米中古住宅販売成約指数が前月比で市場予想に反し低下したことが、米ドルの全体的な地合いを悪くした。
原題:Pound, Loonie Soar as Hawkish Central Bankers Roil Markets(抜粋)
原題:Canada July Rate Hike Odds Jump After Poloz Restates Bias(抜粋)

◎米国株:反発、中央銀行総裁発言巡り買い進む-金融株高い

  28日の米国株は反発。各国中央銀行総裁の発言が市場のリスク志向を強めた。

  S&P500種株価指数は前日比0.9%高の2440.69。ダウ工業株30種平均は143.95 ドル(0.7%)上げて21454.61ドル。ナスダック総合指数は1.4%上昇した。
  
  ポルトガルのシントラで開催中の欧州中央銀行(ECB)フォーラムでドラギECB総裁が27日に発言した意図は、ユーロ圏経済の力強さへの認識と、金融面での支援がなお必要だとの警告との間でバランスを取ることだったと、内部協議が非公開であることから匿名を希望した複数の関係者がそれぞれ個別に述べた。総裁は前日にユーロ圏経済のリフレーションで金融政策姿勢を引き締めずに非従来型の措置を引き揚げる余地が生じていると発言していた。

  イングランド銀行のカーニー総裁は近く利上げを開始することが必要になるかもしれないとの認識を示した。カナダ中銀のポロズ総裁は利上げを検討する可能性をあらためて示唆した。

  S&P500種産業別11指数のうち金融株は3日続伸。テクノロジー株も値上がりした。資本財・サービスや素材も高い。ニューヨーク原油先物市場でウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物が続伸したことを好感し、エネルギー株も上昇した。一方、公益事業は下落した。 

   シカゴ・オプション取引所(CBOE)ボラティリティ指数(VIX)は10に低下。S&P500種の出来高は30日平均を7%下回った。
原題:U.S. Stocks Rise as Bank Shares Jump Before Stress Test Results(抜粋)
Draghi’s Prudence Warning Confirmed by Reaction to His Own Words(抜粋)
MARKET WRAP: U.S. Shares Rally as Banks Climb With Tech Stocks(抜粋)

◎米国債:10年債下落、短期債上昇-イールドカーブがスティープ化

  28日の米国債市場では期間が長めの債券が下落。ドイツ国債と英国債のボラティリティー拡大を手掛かりに、米国債も午前を中心にやや動きの目立つ展開となった。この日は短期債のパフォーマンスが長期債を上回り、イールドカーブはスティープ化した。

  午後には米財務省が7年債の入札を実施したが、市場はほとんど反応しなかった。

  ニューヨーク時間午後4時59分現在、10年債利回りは前日比2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.23%。30年債利回りは3bp上げて2.78%。

  2年債利回りは2bp低下し1.35%。

  2年債と10年債の利回り差は3.9bp拡大、2年債と30年債の利回り差は4.4bp広がった。

  財務省が実施した7年債入札(発行額280億ドル)の結果は、最高落札利回りが2.056%となった。前回(5月25日)は2.060%だった。投資家の需要を測る応札倍率は2.46倍と、前回の2.54倍から低下した。
原題:Treasury Curve Steepens; Bunds, Gilts Drive Whippy Price Action(抜粋)
原題:U.S. Treasury 7-Year Notes Yield 2.056% at Auction (Table)(抜粋)

◎NY金:続伸、ドル指数は昨年10月以来の低水準付近

  28日のニューヨーク金先物相場は続伸。

  ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物8月限は前日比0.2%高の1オンス=1249.10ドルで終了。

  ブルームバーグ・ドル・スポット指数は一時0.4%安、昨年10月以来の低水準付近で推移。前日は0.6%安で引けていた。

  「金は1250ドル前後で落ち着いているようだ」-BMOキャピタル・マーケッツ(ニューヨーク)の卑・貴金属トレーディング責任者タイ・ウォン氏。「特にユーロがニューヨーク時間早朝の下げをほぼ全て埋める中、ドルは弱い」。

  銀先物も上昇。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のプラチナは値上がり、パラジウムは下落。
原題:PRECIOUS: Gold Rises as Dollar Index Near Lowest Since October(抜粋)

◎NY原油:続伸、ガソリンの在庫減少を好感-原油在庫は増加

  28日のニューヨーク原油先物市場でウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物は続伸。米エネルギー情報局(EIA)の週間在庫統計で、夏のドライブシーズンに入ってもなかなか落ちなかったガソリン在庫の減少が明らかになった。一方、原油在庫は増加した。

  トータス・キャピタル・アドバイザーズ(カンザス州リーウッド)のマネジングディレクター兼ポートフォリオマネジャーのブライアン・ケッセンズ氏は「少なくともガソリンと留出油の在庫水準は低下した」と電話インタビューで指摘。「市場は確信が持てないながらもガソリン需要の数字を前向きに解釈することにした」と述べた。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物8月限は前日比50セント(1.13%)高い1バレル=44.74ドルで終了。一時は1.4%上昇し44.84ドルを付ける場面もあった。ロンドンICEの北海ブレント8月限は66セント上昇の47.31ドル。
原題:Oil Rises as U.S. Gasoline Supply Increase Eases Glut Worries(抜粋)

◎欧州株:ほぼ変わらず、下げ埋める-ECB総裁発言を当局者が説明

  28日の欧州株式相場はほぼ変わらず。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が27日行った発言について、複数のユーロ圏当局者がバランスを取ることを意図したものだと説明し、急速に下げを埋めた。

  指標のストックス欧州600指数は385.82で終了。一時1%下げていた。複数の当局者によれば、ドラギ総裁が発言した意図は、ユーロ圏経済の力強さへの認識と、金融面での支援がなお必要だとの警告との間でバランスを取ることだった。

  業種別指数ではテクノロジー株指数がここ1カ月余りで最長の3日続落となった。ドイツのDAX指数は値下がりし、4月以降で初めて50日移動平均を一時下回った。

  個別銘柄では、スイスの食品会社ネスレが1.3%上昇。自社株を210億ドル(約2兆3550億円)相当買い戻す計画を明らかにした。同社はアクティビスト(物言う株主)ダニエル・ローブ氏率いるヘッジファンド、サード・ポイントの標的になっている。
原題:Europe Stocks Little Changed as Comments on Draghi Give Support(抜粋)

◎欧州債:ドイツ国債が上昇-ECB総裁の27日発言巡る当局者発言で

  28日の欧州債市場ではドイツ国債が上昇。前日はドラギECB総裁の発言で売られていたが、その意図を市場が誤って受け取ったと複数の当局者が指摘したことからこの日は買われた。総裁発言の意図についてはコンスタンシオ副総裁は現行政策に一致するものだと述べていた。

  2-5年債が上げ幅を拡大。利回りは3bp低下し、利回り曲線はスティープ化。ロンドンのトレーダーらによれば、5年物と30年物のイールド平坦化の動きが後退したとの報告があった。

  英国債は下落し、利回りは6bp上昇。イングランド銀行のカーニー総裁がインフレ加速の容認には「限度」があり、緩和策縮小が必要となる可能性があると示唆した。

  スペイン国債は大きく上げ、10年物利回りのドイツ国債に対する利回り格差は7bp縮小。
原題:ECB Pushback Gives Bunds a Lift; End-of-Day Curves, Spreads(抜粋)

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