28日の東京株式相場は4営業日ぶりに反落。米国の長期金利上昇を受けたテクノロジー株の下落が嫌気され、グロース業種に売りが広がった。東京エレクトロンなど電機株、配当権利落ちの影響が出たゴム製品株が安い。安定成長が期待される食料品のほか、サービス、小売株など内需セクターも下げた。

  TOPIXの終値は前日比4.65ポイント(0.3%)安の1614.37、日経平均株価は94円68銭(0.5%)安の2万130円41銭。TOPIXのグロース指数が0.8%安だったのに対し、バリュー指数は0.3%高とプラスだった。

  三井住友アセットマネジメント株式運用グループの平川康彦ヘッドは、「米テクノロジー株は一極集中から伸び切った状態にあり、きっかけは何でも良かった」と指摘。日本株も年初からバリューが売られ、グロース一辺倒できており、中期的には再びグロースに再び戻らざるを得ないが、「それぞれ上にも下にも行き過ぎた部分の調整はしばらく入る可能性がある」との見方を示した。

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Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁のタカ派寄り発言を受け、ドイツ債が大きく下げたことを材料に27日の米国債は下落した。10年債利回りは2.21%と、前日比7ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇。

  米金利が上昇する中で同日の米国株は下落。連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長が一部資産価格は高くなったとの認識を示すと、テクノロジー株の下げが加速した。半導体などテクノロジー株のウエートが大きいナスダック総合指数は1.6%安と、9日以来の下落率だった。

  きょうの日本株は、午前の取引こそTOPIXがプラス・マイナス圏を往来するなどもみ合い色が強かったが、午後終盤にかけ東京エレクトロンや任天堂などグロース銘柄の下げが拡大すると、主要株価指数も下落基調となった。いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は、「景況感が良くない中、これまで金余りからリスク資産が上がっていた」とした上で、「マーケットと米金融当局との間で金融政策に対するギャップが広がっている。過剰流動性が縮小に向かうなら、株価は下落する」と警戒感を示す。

  また、きょうは6・12月決算企業の権利落ち日で、配当落ち分も株価指数を押し下げた。ブルームバーグの試算では、マイナスの影響度はTOPIXで1.76ポイント(配当落ち161社)、日経平均で25.6円(同23社)。

  一方、金融セクターは終日高く、株価指数の下支え役を果たした。銀行株は午後の取引で一段高となり、業種別上昇率のトップ。前日の米S&P500種株価指数の業種別11指数では金融が唯一上昇し、米金利の上昇、年初からの出遅れ感も材料視された。このほか、ドル・円はおおむね1ドル=112円台前半と前日の日本株終了時点111円81銭に対しやや円安で推移、輸出関連の中で出遅れ感の強い自動車株の堅調につながった。

  丸三証券の服部誠執行役員は、日本株は「投資対象が循環しながら全体では足元の上昇に対する値固めをしている」と分析。米金利の方向感が出にくく、「バリュー系への投資は長続きしないだろう」とした半面、電機や通信などグロース系が日柄調整後にさらに上値を追えるかどうかが「日経平均2万1000円への分かれ目」とみる。

  東証1部33業種はその他製品やゴム製品、電機、サービス、食料品、小売、情報・通信、医薬品など17業種が下落。銀行や鉄鋼、鉱業、パルプ・紙、卸売、輸送用機器など16業種は上昇。売買代金上位ではキヤノンや村田製作所、ブイ・テクノロジー、良品計画が安い。半面、三菱UFJフィナンシャル・グループなど3大金融グループや三井物産、日産自動車、モルガン・スタンレーMUFG証券が強気判断を維持した新日鉄住金は高い。

  • 東証1部の売買高は19億2007万株、売買代金は2兆4293億円
  • 値上がり銘柄数は503、値下がりは1383
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