欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ドル下落、イエレン議長発言後に失望売り-ユーロ上昇

  27日のニューヨーク外国為替市場ではドルが下落し、ユーロは上昇した。市場関係者はイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長やドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁の発言に注目した。

  ニューヨーク時間午後5時現在、ユーロは対ドルで1.4%高の1ユーロ=1.1339ドル。ドラギ総裁の発言を受けて10カ月ぶり高値をつける場面もあった。主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.6%低下。ただドルは円に対しては続伸し、0.4%高の1ドル=112円35銭。

  ドラギ総裁はECB年次フォーラムで「インフレ軌道の重しとなっている要素はまだある」と指摘しながらも、現時点では主に一時的な要素によるものだと話した。一方、イエレン議長はロンドンのイベントでタカ派的な見解をほとんど示さなかったことから、ドルは下落した。

  ユーロは対円でも買われた。一時は1.9%上げて1ユーロ=127円48銭と、約1年3カ月ぶり高値に達した。

  ドルは対円で上昇。米国債利回りの上昇が一定の支援材料となり、一時は112円47銭と約1カ月ぶりの水準に値上がりした。

  国際通貨基金(IMF)は2017年の米経済成長率予測を2.1%に下方修正し、トランプ大統領が推進する減税とインフラ支出拡大で成長が押し上げられるとの想定を予測から除外。米経済には人口の高齢化から生産性の低い伸びに至るさまざまな問題があり、トランプ政権が目指す年間3%の成長は難しいだろうとの判断を示した。これがドルの見通しに一層の不透明感を与えた。
原題:Yellen Offers No Comfort for Dollar; Euro Soars After Draghi(抜粋)

◎米国株:下落、ハイテク売り続く-ヘルスケア法案の採決延期

  27日の米株式相場は下落。前日に続いてハイテク株が売られた。

  サイバー攻撃が欧州から広がる中、シカゴ・オプション取引所(CBOE)ボラティリティー指数(VIX)は急上昇。米上院の共和党指導部はヘルスケア法案の採決を7月4日の独立記念日に伴う休会後まで延期すると、この決定に詳しい関係者が明らかにした。

  チャールズ・シュワブのチーフグローバル投資ストラテジスト、ジェフリー・クライントップ氏は「企業の海外利益課税案を含む税制改革の取り組みが立ち往生していると、市場参加者はみなしているようだ」と指摘した。

  S&P500種株価指数は前日比0.8%安の2419.38で終了。6週間ぶりの大幅安となった。ダウ工業株30種平均は98.89ドル(0.5%)下げて21310.66ドルで終えた。ナスダック総合指数は1.6%下げた。

  ナスダック100指数は1.8%下落し、5月19日以来の低水準。年初からの上昇率が高い銘柄が引き続き売られた。イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長が一部の資産価格は「高く」なったとの認識を示すと、下げが加速した。一方、金融株は高い。

  国際通貨基金(IMF)は米経済年次審査報告を発表し、米経済予測を引き下げた。政策の不透明感が一因。

  イエレンFRB議長は、金融引き締めの計画に変更が生じたとの示唆は一切しなかったが、一部の資産価格は「高く」なったとの認識を示した。特に26日に発表された経済指標が弱く、成長の強さに対して懸念が強まったことから、米金融当局が利上げ見通しを描く上で見解が楽観的過ぎるのではないかとの声が一部で出ている。

  エバーコアISIのポートフォリオ戦略責任者、デニス・ディバッシャー氏は「銀行システムは強くなり、経済成長は比較的堅調で、われわれが生きている間に危機は起きないとイエレン議長は自信を示した。インフレ指標が軟化しているものの、利上げ継続のシグナルを示したと言える。市場の懸念はそこにある」と指摘した。
原題:Tech Selloff Resumes, Treasuries Fall With Dollar: Markets Wrap(抜粋)
U.S. Stocks, Bonds Decline as Trump Agenda Stalls: Markets Wrap(抜粋)

◎米国債:下落、ドイツ債に連れ安-FRB議長は利上げ軌道不変と発言

  27日の米国債相場は下落。全ての年限で利回りは上昇した。この日はドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁のタカ派寄りの発言を受けてドイツ債が大きく下げたことを手掛かりに、米国債も欧州時間から下げていた。

  午後にはイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長がロンドンでの発言で、利上げ軌道は変わらないとの認識を示し、米国債市場にはほとんど影響しなかった。

  ニューヨーク時間午後4時59分現在、10年債利回りは前日比7ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.21%。30年債利回りは6bp上げて2.75%。

  ドラギECB総裁はポルトガルのシントラで開かれた年次のECBフォーラムで、「今は全ての兆候がユーロ圏の回復の強さが増し、裾野が広がっていることを指し示している。 デフレ圧力はリフレの力に置き換わった」と語った。この発言に反応し、欧州債市場でドイツ債は大きく下落した。

  イエレンFRBはこの日ロンドンで、「金利を非常にゆっくりと引き上げるのが目標達成で適切になるとの考えは、これまでに極めて明確にしている」と述べた。

  また資産価格については、一部の指標において「高くみえるが、確信はない」と述べた。

  午後の相場では5年債、10年債の先物ブロックトレード(大口の相対取引)が重しとなった。
原題:USTs Slump, Dragged Lower by Bunds; Late Futures Blocks Weigh(抜粋)
原題:U.S. Stocks, Bonds Decline as Trump Agenda Stalls: Markets Wrap(抜粋)
原題:Bunds Slide Most Since 2015 as Draghi Sees ‘Reflationary Forces’(抜粋)
原題:Yellen Keeps Fed on Track for Rate Hikes Amid Rich Asset Prices(抜粋)

◎NY金:反発、「ファットフィンガー」が再び現れたとの観測

  27日のニューヨーク金相場は反発。2日連続で大きな値動きとなった。前日の誤発注を取り戻そうとする人物が再び市場を動揺させたとの観測が広がった。欧州時間早朝の取引で、価格は急上昇し、5分間に約81万5000オンスの金が買われた。

  ABNアムロの通貨・商品ストラテジスト、ジョルジェット・ブーレ氏は「決して全ての情報は得られないが、価格動向で十分な手掛かりは得られる」と指摘。「『ファットフィンガー(誤発注)』の出来事があったとすれば、ほぼ同水準の金を取り戻そうとしてもおかしくない」と述べた。

  ニューヨーク時間午後2時57分現在、金スポット相場は前日比0.4%高の1オンス=1250.29ドル。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物8月限は0.1%未満上げて1オンス=1246.90ドルで終了した。

  銀スポットは0.8%高の16.7385ドル。プラチナは0.4%上昇、パラジウムは0.9%下落した。
原題:Oops, I Did It Again. Gold Jump Sees Talk of Fat Finger’s Return(抜粋)

◎NY原油:4日続伸、44ドル台を回復-米在庫の減少観測で

  27日のニューヨーク原油先物市場でウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物は大幅続伸。過去1カ月間で最長の4営業日連続高となった。ブルームバーグの調査によれば、先週の米原油在庫は200万バレル減少したと予想されている。外国為替市場でドルが対ユーロで下げたことも、ドル建てで取引される商品の投資妙味を高めた。
  トラディション・エナジー(コネティカット州スタンフォード)の市場調査担当マネジャー、ジーン・マクギリアン氏は電話インタビューで、ショートポジションが増えてきたことから、「懸念材料の多くは織り込み済みだ」と指摘。「相場はちょっとした調整に入っている」と述べた。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物8月限は前日比86セント(1.98%)高い1バレル=44.24ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント8月限は82セント上昇の46.65ドル。
原題:Oil Closes Above $44 as U.S. Inventories Seen Extending Decline(抜粋)

◎欧州株:ストックス600下落-ECB総裁が政策調整の余地あると指摘

  27日の欧州株式相場は下落。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が金融政策を引き締めることなく緩和策を縮小する余地があると示唆したことに反応した。
  指標のストックス欧州600指数は前日比0.8%安の385.98で終了。ドラギ総裁発言を受けて債券利回りが上昇し、これで銀行株が買われた。鉱山株は1週間ぶり大幅高となった。

  自動車関連銘柄は下げが目立った。独自動車部品メーカーのシェフラーが2017年通期の利益率見通しを下方修正したことが嫌気された。

  ドラギ総裁はこの日の講演で、インフレ率を低く抑えている要素の大半は一時的なものだとも指摘した。

  ロンドン・キャピタル・グループのアナリスト、ジャスパー・ローラー氏はリポートで、ドラギ総裁は「ECBが緩和策を近く巻き戻す可能性があると初めて示唆した」とし、「この日の総裁講演では際立った変化があった。インフレを押し下げていた世界的な要因を『一時的』と表現したことだ」と語った。
原題:European Stocks Decline as Draghi Sees Room to Tweak Stimulus(抜粋)

◎欧州債:ドイツ国債、2015年以来の大幅下落-ECB総裁発言に反応

  27日の欧州債市場ではドイツ国債が約2年ぶりの大幅下落となった。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁がデフレ圧力はリフレの力に置き換わったと指摘したことに反応した。

  ユーロ圏の中核国と周辺国の国債利回りも大幅上昇した。ECBは12月まで国債購入を継続する方針を示しているものの、投資家らは総裁発言でECBが早ければ秋にも緩和策縮小を表明する可能性があると受け止めた。

  ノムラ・インターナショナルの欧州金利ストラテジスト、アンディー・チェイター氏は電子メールで、「政策正常化に向けた長い道のりへの小さな一歩になる様子だと、国債市場の値動きは示唆する」とし、ECBは9月に緩和縮小を発表するとの見方を示した。

  ロンドン時間午後4時45分現在、ドイツ10年債利回りは前日比11ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の0.35%。これは2015年12月以来の大きな上げ。フランス10年債利回りは一時、約8カ月ぶりの大幅上昇となり、13bp上げ0.72%に達した。
原題:Bunds Slide Most Since 2015 as Draghi Sees ‘Reflationary Forces’(抜粋)

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