オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)は、スイスの商品取引会社グレンコア傘下の倉庫に保管されているニッケルの証書が偽物である可能性が高いことが判明したとして、そのために商品取引子会社で「大規模な損失」が発生したと米国の裁判所に明らかにした。

  6月6日付で米サンフランシスコの連邦裁判所に提出された申立書によると、ANZはこの証書に基づきニッケルを売却しようとしたところ、84枚のうち83枚について偽造された疑いが強いことが分かった。ANZは各地での訴訟に備え情報を請求しており、損失の回収と容疑者の追及に向け、すでに米国と香港、シンガポールで弁護士を雇い入れた。

  グレンコアの倉庫業子会社であるアクセス・ワールドは1月、偽造された受領証が出回っていると顧客企業に警告。この関連ではフランスの銀行ナティクシスが6月、担保として使われたニッケルの保管証明書が偽物だったため取引で約3200万ドル(約36億円)失ったとし、英仲介業者マレックス・フィナンシャルを提訴した。

  ANZの広報担当者はコメントを控えた。グレンコアの広報担当者とは連絡がついていない。申立書でANZは虚偽の証書に基づく損失額を明らかにしていないが、申立書に添付された支払い予定によると、ANZはもともとこのニッケル代金として英仲介業者のED&Fに3億500万ドル支払う予定だった。ED&Fの広報担当者は電子メールで「弊社はこの法的行為に関わっていない。これ以上のコメントはない」と述べた。

  ブルームバーグ・ニュースの親会社ブルームバーグ・エル・ピーのピーター・グラウアー会長は、グレンコアで独立した立場の上級非業務執行取締役を務めている。

原題:ANZ Suffered ‘Substantial Losses’ in Nickel Receipts Scam (1)(抜粋)

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