東京外国為替市場ではドル・円相場が一時1カ月ぶりに1ドル=112円台を乗せた後、反落した。前日にテクニカル・ポイントを上抜けたことからドル買い・円売りが先行。その後は米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長の講演や米経済指標の発表を控えて、米長期金利の低下などが重しとなった。

  27日午後4時7分現在のドル・円は前日比0.2%安の111円65銭。ドル買い・円売りが進んだ前日の海外市場の流れを引き継ぎ、午前11時前には一時112円08銭まで上昇。しかし、5月24日の高値(112円13銭)には届かず、米長期金利がじりじりと低下する中、午後には111円61銭まで値を切り下げた。金先物相場や人民元の急伸もドル売り圧力につながったもよう。

  ソシエテ・ジェネラル銀行の鈴木恭輔為替資金営業部長は、「ドル・円は月末や四半期末を控えたショートカバーで112円を試せるレベルに来ていたことで、112円台を付けた感じ」と説明。「ただ、原油はさえない、米経済指標は弱い、米金利低下という中で、上値追いをできる感じでもない」と話した。

 
  この日はイエレン議長とハーカー・フィラデルフィア連銀総裁がロンドンで、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁がミシガン州でそれぞれ講演する。米経済指標では6月の消費者信頼感指数や4月のS&P・コアロジック/ケース・シラー住宅価格指数などが発表される。26日発表の5月の耐久財受注は2カ月連続のマイナスとなり、コア資本財が予想外の減少となった。

  ドル・円は前日の海外市場で111円80銭付近を通る100日移動平均線を約6週間ぶりに上回り、日足の一目均衡表の雲の上限も上回った。外為どっとコム総研の川畑琢也研究員は、このまま行けば一般的に買いシグナルと見なされる「三役好転」が点灯し、「上値余地が拡大する可能性がある。5月24日の直近高値を超えてくると、流れ的には5月からの下落局面に対する戻りが意識されやすい展開になってくる」と語った。

  一方、上田ハーロー外貨保証金事業部の小野直人ストラテジストは、原油安が一段落するか確信が持てない中で、リスク選好の流れが継続するかは疑わしく、「米国の長短金利差の縮小傾向からドル高のイメージが強まりづらい」と指摘。ドル・円が112円の大台回復を果たしても、「そこからどれほど上値を広げられるかは不透明」との見方を示した。

  米10年債利回りは時間外取引で一時1bp低下の2.13%程度。ニューヨーク原油先物相場は0.6%高の1バレル=43.77ドルとなっている。

  この日はドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁がECBフォーラムで基調講演を行う。ユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.11ドル台後半から一時1.1204ドルまでじり高。ユーロ・円相場は1ユーロ=125円36銭と5月26日以来の水準までユーロ高・円安に振れた後、伸び悩む展開となっている。

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