年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)や共済年金などの公的年金は1-3月期に日本株と外債をともに売り越した。2016年10ー12月期の買い越しに追い風となったトランプ米政権の実行力に不透明感が広がったことが背景。デフレからの完全脱却を掲げる安倍晋三内閣の有識者会議が公的年金改革に関する報告書をまとめた13年末から続いていた流れに一服感が出ている。

  日本銀行が27日公表した資金循環統計によると、公的年金は日本株を3466億円売り越し、外国証券も690億円と12四半期ぶりに売り越した。一方、3月末の日本株の保有残高は44兆6145億円と過去最高を更新。外債保有残高は61兆7210億円と、ドル安による円換算額の目減りもあって昨年12月末の最高記録61兆7745億円には至らなかった。

  同統計の公的年金はGPIFや国家公務員共済組合連合会(KKR)、地方公務員共済組合連合会、日本私立学校振興・共済事業団、年金特別会計などからなる。世界最大の年金基金であるGPIFと共済年金が運用する資産規模は16年末時点の合計で200兆円弱。運用は第2次安倍内閣の肝いりで変更した3分の2近くが株や外債などのリスク性資産というGPIFの資産構成比に共済も追随しつつある。

GPIF
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Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

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  国債・財融債は3366億円買い越した。買い越しは15四半期ぶり。3月末の保有残高は49兆138億円と3四半期ぶりに増えた。公的年金の運用環境は、堅調な企業業績を受けた海外株の上昇基調が続いたものの、米国の長期金利の低下とドル安が進行。円相場が反発する中で国内株は伸び悩んだ。

  TOPIXは3月末に1512.60と昨年12月末から0.4%下落。MSCIコクサイ指数は円換算で1.21%上昇した。米国債の10年物利回りは5.7ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低い2.3874%。ドル・円相場は1ドル=111円39銭と5円57銭のドル安・円高に進み、日本の長期金利の指標となる新発10年物国債利回りは0.065%と2.5bp上昇した。

  公的年金の国債・財融債と国庫短期証券を合わせた「国債等」の保有残高は3月末に49兆円と、残高全体1083兆円の4.5%だった。日銀が同時に公表した昨年10-12月期の確報値によると、国債・財融債は7573億円の売り越し、外国証券は2714億円の買い越し、日本株は5億円の売り越しと、それぞれ5893億円の売り越し、2594億円の買い越し、564億円の買い越しから修正された。

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