欧州連合(EU)は英国に対し、EU離脱後のEU市民数百万人の権利保障でさらに踏み込むよう要求した。速やかな合意を期待するメイ英首相には痛手となる。

  EU側の交渉責任者を務めるミシェル・バルニエ氏は、メイ英首相が26日に20ページの報告書でEU市民の労働および在住の権利を保護する案を提示してから2時間足らずで、それを一蹴(いっしゅう)。同氏はツイッターで、「今の英国側の立場よりも高い熱意と明確さ、保障が必要だ」と述べ、「EU法と同じレベルの保護」がEU側の目標だと強調した。

  こうした反応は、英国とEUの新たな通商合意に向けた重要な交渉入りへの妨げにつながりかねない。双方は市民権に関する早期決着を望んでおり、それがまとまるまで自由貿易協定を巡る交渉に入らないことで一致している。

  メイ首相は英議会で、英国に暮らすEU市民推定320万人は公的教育やヘルスケア、年金などを受ける際に英国人と同様の扱いを受けると説明。提案ではEU市民に英国の離脱後、身元確認書類の保持を強制することになる。同首相はまた、EU諸国に在住する英国民100万人の権利を保障する互恵協定を求めると述べた。

  同首相は議員に対し、「英国のEU離脱時にEU市民の扱いがどうなるのか、不安が一部にあることは承知している。現在の計画では、その時点で合法的に英国に居住するEU市民に退去を求めることはないと完全に保障したい」と語った。

原題:EU Demands Further U.K. Guarantees for Citizens After Brexit(抜粋)

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