27日の東京株式相場は3日続伸し、TOPIXは年初来高値を更新した。為替のドル高・円安推移や原油価格の上昇を受け、企業業績の先行きを楽観視する買いが優勢となった。日立製作所など輸出株、鉄鋼など素材株、石油や商社など資源株中心に高い。

  TOPIXの終値は前日比6.81ポイント(0.4%)高の1619.02、日経平均株価は71円74銭(0.4%)高の2万225円9銭。TOPIXは終値で2015年8月以来の高値水準。

  損保ジャパン日本興亜アセットマネジメントの狩野泰宏シニア・インベストメントマネージャーは、「上昇を続ける米国株をはじめ、欧州、新興国株へと向かった金余り資金が経済状況が良く、バリュエーションも高くない日本株にも消極法で向かっている」とみる。このため、任天堂など一部銘柄に偏った上げではなく、「相対的に割安な商品市況関連など幅広い銘柄の循環的な底上げにつながっている」と話した。

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Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  きょうのドル・円は一時1ドル=112円台と、約1カ月ぶりのドル高・円安水準を付けた。26日の海外為替市場では、5月の米国耐久財受注で先行指標となる航空機を除く非国防資本財(コア資本財)の受注が0.2%減と市場予想に反しマイナスとなったものの、ドルは円に対し上昇していた。26日の日本株終値時点は111円29銭。

  また、26日のニューヨーク原油先物は0.9%高の1バレル=43.38ドルと続伸。ヘッジファンドなどによる売りをきっかけに先週まで5週続落となっていたため、反動も出やすくなっている。原油は、アジア時間27日の時間外取引でも上昇。このほか、前日の欧州株市場でシステミックリスクの低減したイタリアの銀行株が堅調だったほか、米金融株が上昇したことも投資家心理にはプラスに作用した。

  SMBCフレンド証券投資情報部の松野利彦チーフストラテジストは、「日本企業の今期想定レートは1ドル=105ー110円のため、112円近い水準では為替差益が出やすい」と指摘。最近の日本株は円高でも割安感が評価され、しっかりしていただけに、「円安になり、素直に企業業績を評価する動き」になったとみる。原油価格も供給要因に左右されつつも落ち着いてきたとし、「シェールの採算コストは1バレル=38ドル程度とみられる」ため、同水準に接近してくると下げ止まりやすいとの認識を示した。

  もっとも、きょうは6・12月決算銘柄の配当権利付き最終売買日だったが、売買代金は低調。国政に影響を及ぼし得る東京都議会選挙が7月2日にあるほか、来週の米国市場では為替への影響が注視される雇用統計の発表も控える。岡三オンライン証券の伊藤嘉洋チーフストラテジストは、「耐久財をみても足元の米景気指標はあまり良くなく、米金利の上昇を背景とした円安ではないだけに、日経平均の終値ベースの年初来高値である2万230円を上回ったところでは戻り売りの売りも多い」と言う。

  一方、日本銀行が27日に公表した資金循環統計によると、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)や共済年金など公的年金は1ー3月期に日本株を3466億円売り越した。

  東証1部33業種は鉄鋼、石油・石炭製品、ゴム製品、鉱業、非鉄金属、精密機器、卸売、電機など26業種が上昇。鉄鋼は、ゴールドマン・サックス証券がスポットマージンが直近ピークだった1ー3月を超過し、メーカーの良好な事業環境が続いていると指摘した。サービスや陸運、空運、医薬品など7業種は下落。

  売買代金上位では、富士通や村田製作所、SUMCO、ブリヂストン、ゴールドマン証が投資判断を「買い」に上げた日立が高い。半面、東芝やオリエンタルランド、アイフルは下げ、SMBC日興証券が業績はモメンタムのピークに接近との見方を示した高島屋も安い。

  • 東証1部の売買高は15億7397万株、売買代金は2兆1421億円
  • 値上がり銘柄数は1215、値下がりは654
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