東京外国為替市場のドル・円相場は1ドル=111円台前半で推移。米連邦準備制度理事会(FRB)高官による金融政策の正常化に向けた発言が支えとなったものの、4-6月期四半期末を控えて上値は重かった。

  26日午後4時2分現在のドル・円は前週末比0.2%高の111円45銭前後。前週末の米国市場でドルが売られた流れを引き継ぎ、朝方に111円13銭まで下落。その後は、徐々に水準を切り上げ、午後の取引終盤にかけて一時111円47銭まで上昇する場面があった。ドル・円の予想変動率は1カ月物で7%台前半と2015年末以来の水準に低下している。

  SBI証券市場金融部の相馬勉部長は、「今週は、FRB当局者発言が多く、金融政策の正常化で利上げやバランスシート縮小の話は出るが、数字がついてこない。原油相場もさえない状況で米消費者物価(CPI)が大きく上がる気配はない」と指摘。「今週は四半期末を迎えるため動きづらく、短期筋中心の動きになりそうだ」とも語った。

  サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁はこの日、オーストラリアのシドニー工科大学での講演で、「金利を正常な水準に戻すことは経済を順調な軌道に保つことに寄与する」と述べ、緩やかな一段の米利上げを支持する姿勢を示した。記者団との談話では「私自身の見解では、恐らくフェデラルファンド(FF)金利の新たな正常水準は3%を幾分下回る」と語った。

  今週は、FRB高官の講演が相次いで行われる。27日はイエレン議長とフィラデルフィア連銀のハーカー総裁が英国ロンドンで、サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁がシドニーのマッコーリー大学で、ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁がミシガン州ホートン市のタウンホールミーティングで講演する予定。

  FXプライムbyGMOの柳沢浩チーフアナリストは、「バランスシート縮小も本命は9月開始だが、イエレン議長が早期縮小に改めて意欲を示し7月開始との思惑が高まれば、長期金利が少し上がりドルも上向くかもしれない。ただ、PCE(個人消費支出)価格指数が弱いと、利上げ観測が一段と後ずれし、結局、元のレベルに戻ってしまうかもしれない」と語り、今週のドル・円は110円20銭から112円20銭のレンジで動きは鈍いと見込んでいる。

  ブルームバーグ調査によると、30日発表の5月コアPCEは前月比0.1%上昇、前年比1.4%上昇が見込まれている。4月は前月比0.2%上昇、前年比1.5%上昇だった。

  前週末23日には、セントルイス連銀のブラード総裁が、バランスシート縮小について、当局が政策金利を引き上げない会合で実行できることの一つだとした上で、9月開始の可能性はあると発言。クリーブランド連銀のメスター総裁も同日、「政策金利に関して緩やかな上向きの道筋との認識に変わりはない」との見解を示した。

  SBI証券市場金融部の相馬氏は、「市場は、米利上げを年内1-2回、来年も数回との前提で動いているが、物価が上昇しなければ、金融引き締めペースに減速感が出て、ドルを売り込みやすくなる」と述べた。

  オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)取引に基づいて推計される年内の米利上げ確率は26日時点で47%程度となっている。

円とドル
円とドル
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  ユーロ・ドル相場は同時刻現在、ほぼ変わらずの1ユーロ=1.1194ドル。23日には一時1.1209ドルまで上昇し、19日以来のユーロ高・ドル安水準を付けた。

  欧州中央銀行(ECB)が28日にポルトガルで開催するフォーラムには、ドラギECB総裁、黒田日銀総裁、カーニー英中銀(BOE)総裁らが出席する予定。

  SBI証の相馬氏は、「ドルが弱い分、ユーロに資金が来ている」と説明。もっとも「イタリア銀行問題やギリシャ関連報道などもあり、ユーロを買い上げる感じではなく、ユーロ高という雰囲気でもない」と語り、ユーロは当面1.12ドル挟みの展開との見方を示した。

  イタリア政府は、銀行2行の破綻処理に2兆円強の支援をする見通しだ。過去最大の銀行救済となる。パドアン経済財務相が25日、ローマでの臨時閣議後に明らかにした。

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