東芝は23日、2017年3月期(前期)の有価証券報告書の提出期限の延期を関東財務局に申請したと発表した。米原発事業での損失処理に関する監査法人との意見の相違が背景で、目標としていた監査法人の適正意見付き報告書の法定期限(6月末)までの提出を断念した。8月10日を期限に提出を目指す。

  関東財務局は同日午後、延期を承認した。東芝は2016年4ー12月期(四半期報告)の報告提出を2度延期。その後、監査意見「不表明」のまま提出した。前期の通年報告は未提出で、過去の不正会計問題後の16年に新日本監査法人から引き継いだPwCあらた監査法人が現在、監査手続きを進めている。

  また東芝は23日、5月に暫定値として公表していた17年3月期の連結業績の見込みを一部修正。最終赤字は9952億円(5月時点見込み9500億円)に上り、期末で5816億円(同5400億円)の債務超過に陥ったと発表した。それぞれ400億円超悪化した。赤字額は製造業で過去最大となる。

  綱川智社長は同日夕の会見冒頭、有報の提出期限延長などについて「株主などステークホルダーにご迷惑をお掛けし申し訳ありません」と陳謝。理由については、破綻処理し連結対象から外した当時の米原発子会社に関する決算と監査に7月末まで時間が必要でグループ全体の監査にさらに10日程度かかるためと述べた。

「上場は維持したい」-株式2部降格

  東証の規則によると、法定期限を1カ月過ぎても有報が提出されない場合などに上場廃止基準に触れる。ただ財務局から承認を得られれば延長は可能。東証は23日、東芝株を8月1日から2部に降格とすると発表した。廃止基準である2期連続の債務超過を回避するため東芝は稼ぎ頭であるメモリー事業の売却を急いでいる。

  綱川社長は会見で2部への降格に関連して、降格で株式がインデックス運用などの対象から外れる中で、「信用力が大切になる。人材や技術力を確保し上場を維持したい」と述べた。平田政善専務は、メモリー事業が2兆円で売却できれば「今年度の株主資本比率10%に手が届くところに早急に回復させたい」と述べた。

  東芝は2兆円の買収額を示す産業革新機構などの日米韓連合を優先交渉先に決定したが、合弁相手の米ウエスタンデジタル(WD)が米地裁に売却の差し止めを請求した。綱川社長は「WDとはこれまでも協力してきた。係争関係は残念だ。一緒に投資しサムスンと戦いたい」とし、協議を続け売却手続きの障害とならないようにしたいと述べた。

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