国内海運3位の川崎汽船が23日開催した株主総会で村上英三社長が取締役として再任された。昨年の総会では半数に迫る反対票があり市場の関心を集めていた。同社は2期連続の赤字で前期(2017年3月期)の損失額は過去最大となっていたが、筆頭株主など過半の株主が現経営陣を支持する結果となった。

  議長を務めた村上社長は冒頭、2期連続の赤字となったことに陳謝し、業績回復の指針となる今期からの中期経営計画などを説明した。経営方針や配当政策について4人の株主が質問に立った後、9人の取締役選任を含む3議案全てが承認された。総会はモニターで公開された。89人が出席し約56分で終了した。

Eizo Murakami Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

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 川崎汽船の筆頭株主でシンガポールに拠点を置く投資ファンドのエフィッシモ・キャピタル・マネージメントは23日午後、ブルームバーグの取材に対し、今年の川崎汽船の取締役選任議案に賛成票投じたと明らかにした。ただ、理由については、「個別の投資先についてのコメントは差し控える」と述べるにとどめた。

  エフィッシモは総会で意見表明や質疑はしなかった。保有比率は昨年3月末の29.71%から4月6日時点で38.43%に上昇。昨年は村上社長の再任議案に反対票を投じ合計の反対票は43%と薄氷を踏む再任だった。

  米議決権行使助言会社のインスティテューショナル・シェアホルダー・サービシー(ISS)は、取締役選任議案で朝倉次郎会長と村上社長の再任反対を株主に推奨するリポートを発表。昨年も両氏の選任反対を推奨していた。川崎汽船はこの日の総会での具体的な投票率などについて後日、臨時報告書で明らかにする予定。

   野村証券の廣兼賢治アナリストは、株主による社長再任を含めた取締役全員の選任について「妥当な判断だ。会社側の説明に株主が納得したようだ」と指摘。その上で「社長が代ればどうにかなるものではない。過去の赤字業績は一部に経営的な責任はあるとはいえ、大半がコンテナ事業など厳しい外部環境の要因が大きい」と述べた。

  同社の株価はこの日、朝方はほぼ前日の終値水準で推移していたが、総会終了後に下落、午後には一時前日比5.2%安の272円まで下げる場面もあった。終値は同4.5%安の274円。

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