6月4週(26ー30日)の日本株は上値の重い展開となりそうだ。米国や中国の景気不透明感に加え、東京都議会議員選挙の結果を見極めようと積極的に買い上げる材料に乏しい。ただし、堅調な国内景気や企業業績から下値も限定される。

  米経済指標は26日に5月の耐久財受注やシカゴ連銀全米活動指数、27日に6月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、30日に5月の個人消費支出(PCE)が公表予定。エコノミスト予想では耐久財が前月比0.7%減(前回0.8%減)、消費者信頼感が115(同117.9)、PCEコアデフレーターはゼロ%(同0.2%上昇)。まだら模様の指標や足元の原油安を受け、米長期金利は低水準で推移する可能性があり、為替市場でのドル高・円安進行は期待しづらい局面だ。中国では30日に6月の製造業購買担当者指数(PMI)があり、51.2から51.0への低下が予想されている。

株価ボードイメージ画像
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Photographer: Noriko Hayashi/Bloomberg

  国内政治の不透明感も手控え要因となりそうだ。23日に告示された都議選の投開票日は7月2日。メディアが実施した直近の世論調査では、加計学園問題などで安倍晋三内閣の支持率が軒並み急落傾向にある。民進など野党の支持率も伸び悩み、対抗馬不在から株式市場への影響は現段階で軽微。しかし、政治の安定は日本株を支援する材料の一つだけに、都議選で自民党が苦戦した場合、経済政策への市場の期待感が後退するリスクがある。

  もっとも、国内景気や企業業績への期待感から下値も限られそうだ。為替の安定で4ー6月期業績は良好とみられる上、3日に公表予定の日本銀行の企業短期経済観測調査(6月調査)について、エコノミストの間からは業況判断の改善が続くと予想されている。30日に発表される国内5月の鉱工業生産は前月比3%減(前回4%増)が見込まれているものの、輸出や景気ウオッチャー調査など他の関連指標は堅調に推移しており、影響は限定的となる可能性が高い。6月3週の日経平均株価は週間で0.9%高の2万132円67銭と3週ぶりに反発した。

  • 市場関係者の見方

三菱UFJ国際投信の向吉善秀シニアエコノミスト
  「高値トライを予想。マーケットの注目は米経済指標で、今の消費者物価の落ち込みが一時的とみるFOMCと弱気にみる市場とのギャップが埋まるのかどうかだ。PCEコアがゼロかマイナスになれば、インフレ率の下振れリスクが高いとして米金利は上がってこないだろう。ただ、日米とも企業業績は良好で、適温経済下で今の低水準な米金利が続けば、過剰流動性による余剰資金がリスク資産に入り、米国主導で日本株も上がりやすい。中国は党大会が終わるまで減速がないとの期待があり、PMIが予想以上に下振れすれば、一時的に株価に影響を与える可能性がある」

ちばぎんアセットマネジメントの加藤幸祐運用部長
  「材料待ちで下値固めとなりそうだ。世界的な金余りなどから株価は上昇してきたが、ひと頃の割安感はなく、高値警戒感がある。さらに上値を追うには米長期金利上昇とそれに伴う円安が必要だが、米景気状況が可もなく不可もない中、構造的要因もあって平均賃金が上がらず、インフレが起きにくい。このため、日本株のグロース銘柄はずっと買われてきたことで高値警戒があるものの、バリュー銘柄に移るきっかけがない。週末の東京都議会選挙の結果が国政に影響するかどうかを見極めたいとのムードも心理的に上値を抑えそうだ」

三井住友アセットマネジメントの吉川雅幸チーフマクロストラテジスト
  「底堅いだろう。米消費者信頼感指数や個人消費支出は市場予想内とみる。原油市況安は緊張感を持ってみなくてはならず、目先はリスクファクター。国内では、原油が下がると貿易収支が改善し、経常黒字になる一方、米国ではインフレ率が下がり、利上げは遅れるとの発想になりやすく、円高リスクだ。国内景気は足元で消費もしっかりと底堅い。鉱工業生産は低下が予想され、輸出の減少などを受けモメンタムが落ちているとの議論が出る可能性もあるが、不安感にはつながらないだろう」

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