東京都議選が23日、告示された。来月2日の投開票に向け、127議席を争う。自民党都連との対決姿勢を強めている小池百合子知事は自身の率いる「都民ファーストの会」や協力関係にある公明党などと合わせ、支持勢力での過半数確保を目指している。

  小池知事は23日午前、渋谷区での街頭演説で「古い議会を新しい議会にする絶好のチャンスが今日から始まった」と述べた上で、「見える化どころか隠すことを選択してきた古い議会はもういらない」と聴衆に語りかけた。自民党を離党した1日にはフランスのマクロン大統領が政策推進には改革の同志が議会の半数を超えることが必要と述べたことに共感を覚えるとして、都議会での多数派形成に意欲を示していた。

  都議選で都民ファーストは小池氏が塾長を務める「希望の塾」の出身者を中心に50人の公認候補を擁立、協力関係にある公明党公認の23人を含め計35人を推薦した。自民党の公認候補は60人。朝日新聞の投票先に関する世論調査では、4月に都民ファースト20%、自民31%だったが、6月3、4日の調査では同率27%となった。読売新聞が19日に公表した調査では、都民ファーストに「期待する」と答えた人は54%と半数を超えていた。

  自民党の下村博文都連会長は20日、日本外国特派員協会での記者会見で、「地に足の着いた政策論争のできる都議選にしていきたい」と述べ、「脱小池劇場」を訴えた。その上で、「地方選挙とはいえ過去の都議選はその後の国政選挙に必ず影響している」とも述べ、「しっかり戦ってその後、国政にとってプラスになる」結果を出したいと語った。

東京版トランプ現象

  東京大学大学院総合文化研究科の内山融教授は、小池知事への期待感は英国が国民投票で欧州連合(EU)離脱を決めたり、米国で当初は泡沫(ほうまつ)候補と位置付けられていたトランプ氏が大統領となったりした潮流と同じ、「典型的なポピュリズム」だと述べた。

  小池知事は、昨年7月の選挙で約291万票を獲得。自民、公明両党などが推薦した増田寛也元総務相や民進党などが推薦した鳥越俊太郎氏らに大差をつけて当選した。就任後、テレビ各局のニュースや情報番組では自民党都議が小池氏との写真撮影を拒んだり、本会議で事前通告のない質問で小池氏を当惑させたりする場面が繰り返し流された。

  内山氏は、一連の報道が「既成勢力の閉ざされた世界に風穴を開けようと闘う知事」を印象付け、「共感を呼んだのは間違いない」と語った。一方で、小池氏が都政で確実な結果を出せているかについては、「当初の改革姿勢からすると見劣りがする」と述べ、有権者がどう判断するかが問題だと指摘した。

  自民党の二階俊博幹事長は23日、北区の街頭演説で「東京都はたくさんの問題を抱えている。都議会の責任も極めて重要だ」と支持を訴えた。

  フランスの国民議会(下院)選挙は18日行われた決選投票の結果、マクロン大統領率いる新党「共和国前進」が過半数を確保している。

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE