トランプ米大統領がコミー前連邦捜査局(FBI)長官との会話をテープに録音していないと認めたことは、トランプ氏に対する新たな法的リスクを生じさせ得るとともに、ロシアとのつながりを捜査する当局の目から見た同氏の信頼性を低下させる。

  トランプ氏は22日のツイッター投稿で「そのような録音はしなかったし、持ってもいない」と言明した。専門家によれば、司法妨害の可能性を捜査するモラー特別検察官はトランプ氏のこうした行為を重要なものと見なす可能性がある。

  クリントン夫妻をめぐるホワイトウオーター疑惑の捜査に関わったジュリー・オサリバン元連邦検察官は、コミー氏を標的としたトランプ氏のツイートは、テープが実際に存在しないとしても捜査妨害に「該当し得る」と指摘する。現在はジョージタウン大学法学部の教授であるオサリバン氏はトランプ氏が「やろうとしたのは基本的に、コミー氏の口封じだ」と説明した。

  トランプ氏は一連の疑惑について「魔女狩りだ」との非難を繰り返し、発言を控える気配を見せない。22日に一部が放映されたFOXニュースとのインタビューでは、モラー特別検察官についてコミー氏との長年の関係を指摘し、同検察官の信頼性についての疑問を主張した。

  大統領に関する歴史家であるジム・ロブナルト弁護士は、テープの存在を示唆したトランプ氏の意図を捜査官らは問題にするだろうと言う。「誰かを威嚇する目的以外でテープの存在をほのめかすことがあるだろうか。そして、後になってテープがないと言明した事実は法律家の視点から見てて非常に怪しい」とし、「不利益をもたらすテープが存在し、それが破壊されたのではないだろうか。テープが存在しないなら、それをほのめかすということがあるだろうか」と問いかけた。

  米下院情報特別委員会のアダム・シフ民主党筆頭理事はトランプ氏による22日のツイートを踏まえた上でなお、テープが存在するならば23日までに提出することを求めた同委員会の要請に対してホワイトハウスは書面で回答しなくてはならないとの声明を出した。

原題:Trump’s Tape Blunder Risks Fresh Legal Jeopardy in Russia Probe(抜粋)

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