全く勝負にならない。

  企業の購買担当者を相手に、値上げしたくてもできない米国の納入業者の窮状について、マッキンゼーのコンサルタント、ウォルター・ベーカー氏はこのようにみる。

  洗練されたツールや市場の勢力図についての詳細な知識を持つ買い手側は、値上げ受け入れを拒むことも辞さない一方、納入業者は値上げを望みながらも顧客を失うのが死ぬほど怖い。小刀で銃に立ち向かうにも等しい。

  イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長ら金融当局者がインフレ率を2%の目標になかなか押し上げることができない一因には、こうした一方的な力関係があると考えられる。値上げではなく、コスト削減に重点を置くのはスイスの大手エンジニアリング会社ABBでも、北米で工芸品などの小売り販売を手掛けるマイケルズでも同じだ。

  マッキンゼーの同僚2人との共著「ザ・プライス・アドバンテージ」があるベーカー氏は、「納入業者に値下げしてもらわなければならないと心配する企業は見当たらない」とし、その反対に値上げしたい側の企業が気をもんでいるのが実情だと語った。

原題:Yellen’s Bid to Lift Inflation Runs Into Cost-Cutting Buzz Saw(抜粋)

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