野村ホールディングスは、英国の欧州連合(EU)離脱後の域内の中核拠点として独フランクフルトを選定したことが分かった。複数の関係者への取材で明らかになった。

  野村は月内に、フランクフルトに新拠点を設立するための準備に着手する。当局へのライセンス申請や、入居するオフィススペースの確保、同拠点での陣容の詳細など具体的な検討に入るとみられる。ロンドンから移籍するのは100人未満という。計画が公表されていないとして関係者が匿名で語った。

  日本の証券会社で英EU離脱後の域内の本拠地について方針が明らかになったのは野村HDが初めて。EU離脱を選択した国民投票から1年、ようやく正式な離脱交渉が始まったが、6月8日の総選挙で強硬離脱を唱えていた与党保守党が予想外に議席を減らし、メイ英首相は守勢に立たされている。このためソフトな離脱になる公算で、金融機関への影響は緩和される可能性が出てきている。

  野村HDはこれまでブレグジット後のEU域内での本拠に、フランクフルト、ミュンヘンのほかルクセンブルク、パリなどの都市を候補地として検討しており、6月を目途に決定するとしていた。

  野村の山下兼史広報担当は、フランクフルト選定についてコメントを控えた。関係者によれば、金融当局の認可が下りなければ計画は実現せず、他の拠点候補を再考する可能性もあるという。

大和証Gもフランクフルトに

  野村は欧州、米州、アジアの海外拠点で2016年度、過去7年間で初めて通期黒字を計上した。トレーディングや投資銀行業務を営む海外は、国内のリテールビジネスでの落ち込みを補うなど、重要な役割を担いつつある。ゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレー、シティグループなども英国のEU離脱決定を受けてフランクフルトでの拠点設置の準備を進めている。

  これまでフランクフルトやアイルランドのダブリンへの拠点設置を検討していた大和証券グループ本社は22日午後、フランクフルトに現地法人を設立し、当局にライセンス申請を行うことを決定したと発表した。

  三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクの証券子会社も、EU内で自由に金融事業を展開できる「パスポート」を英国以外で取得することを検討しているが、結論には至っていない。

英語記事:Nomura Said to Choose Frankfurt as EU Base Following Brexit (2)

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