東京外国為替市場ではドル・円相場が下落し、一時111円を割り込んだ。原油安を背景に米国の物価動向や追加利上げに対する不透明感が強まったことや、北朝鮮情勢への懸念から円買い・ドル売りが優勢となった。

  22日午後3時35分現在のドル・円は前日比0.2%安の111円16銭前後。朝方に付けた111円43銭から水準を切り下げ、一時110円95銭と、19日以来の111円割れとなった。主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.1%安。

  バークレイズ証券の門田真一郎シニア為替・債券ストラテジストは、「原油価格が落ちているのがかなり大きい。米国もコアPCE(個人消費支出)デフレーターが下振れている中で、連邦準備制度理事会(FRB)が引き締めを続けられるのか。続けるならそれが逆にインフレを抑えてしまうのでないかという政策エラーを懸念するような動きになっている。原油が持ち直さないと米金利も低下局面から抜け出しづらく、ドルも上値を抑えられる」と語った。  

  前日の米国市場では需給懸念を背景に原油先物相場が3日続落。ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)に続いて北海ブレント原油も弱気相場入りした。ステート・ストリート銀行の若林徳広在日代表兼東京支店長は、「原油価格の下落や北朝鮮問題などが懸念材料となり、安全資産の円買いになりやすい。米国は物価状況もそれほど良くなく、ドルの上値は重い」と述べた。

  オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)取引に基づいて推計される年内の米利上げ確率は22日現在41%前後。22日の時間外取引で米10年債利回りは一時2.146%程度に低下した。

  22日の米国では、パウエルFRB理事が上院銀行委員会の公聴会で証言するほか、5月の景気先行指標総合指数、4月のFHFA住宅価格指数、週間新規失業保険申請件数が発表される予定。ブルームバーグ調査によると、景気先行指数は前月比0.3%上昇(4月も同0.3%上昇)、FHFA住宅価格指数は前月比0.5%上昇(3月は同0.6%上昇)、新規失業保険申請件数は24万件(前週は23.7万件)が予想されている。

  ニッセイ基礎研究所の上野剛志シニアエコノミストは22日付のリポートで、「米経済指標には弱いものが目立つが、過度の悲観は織り込まれている」として緩やかな円安予想を維持、3カ月後のドル・円は113円程度を見込んでいる。

ドルと円
ドルと円
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  ユーロ・ドル相場は同時刻現在、1ユーロ=1.1168ドル前後、ポンド・ドル相場は1ポンド=1.2670ドル前後といずれも前日終値付近で推移している。

  ステート・ストリートの若林氏はユーロ・ドルについて、「欧州中央銀行(ECB)は今後、タカ派方向に行くとみられ、大きく下がる要素は少ない。1.11~1.13ドルのレンジでゆっくりした上昇が続く」とみている。

  イングランド銀行(英中銀)チーフエコノミストのアンディ・ホールデン氏は21日、年内の利上げを支持する姿勢を示した。22日はフォーブス委員が講演する予定。

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