債券市場では超長期債が上昇した。原油相場の下落基調を背景に物価の先行き不透明感が強まり、インフレ動向の影響を受けやすい超長期債に買い圧力が掛かった。

  22日の現物債市場で、30年物55回債利回りは日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値から1ベーシスポイント(bp)低い0.78%、40年物の10回債利回りは1.5bp低い0.95%と、それぞれ新発債として4月以来の水準まで低下した。新発20年物の161回債利回りは横ばいの0.555%で推移している。

  パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長は、「原油安を受けて世界的にイールドカーブがフラットニングしている」と指摘。「日本銀行のオペ増額期待が生じにくい中で、保有しても価格が上がらない限り保有する価値のないマイナス利回りセクターから、金利の高い30年や40年に資金が流れているようだ」と述べた。

  21日の米国債市場では30年債利回りが前日比1bp低い2.73%程度に低下。22日の時間外では2.71%台に下げている。原油相場が前日に続いて下げたことなどが米債相場を支えた。ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物は3日続落。米在庫が減少したものの供給過剰の解消に対して懐疑的な見方が強く、売りが続いた。WTIに続いて北海ブレント原油も弱気相場入りした。

  中期債は軟調。新発5年物の132回債利回りは一時1.5bp高いマイナス0.06%と、昨年12月以来の水準まで上昇し、その後はマイナス0.07%に戻している。新発2年物の377回債利回りは1bp高いマイナス0.095%を付けた後、マイナス0.10%で推移した。長期金利の指標となる新発10年物国債の347回債利回りは横ばいの0.055%で始まり、いったん0.06%を付けた後、0.055%に戻した。

  長期国債先物市場で中心限月9月物は前日比横ばいの150円38銭で取引開始。一時は6銭安の150円32銭まで下落したが、午後には3銭高まで水準を切り上げ、結局は1銭高の150円39銭で引けた。

流動性供給入札

  財務省がこの日に実施した残存期間5年超から15.5年以下の既発国債を対象にした流動性供給入札では、投資家需要の強弱を反映する応札倍率が2.88倍と、前回の同年限入札の3.55倍から低下した。平均利回り較差はマイナス0.004%となった。

過去の流動性供給入札の結果はこちらをご覧ください。

  パインブリッジの松川氏は、流動性供給入札について、「ショートカバーニーズを背景に無難な結果だったが、中期債は重いまま」と指摘。「きのうの長国買い入れオペでは一部で増額期待もあったが、日銀に動きがなかった。それが10年以下の重さにつながっている」と説明した。

  日銀は23日午前の金融調節で、長期国債買い入れオペを通知する。先月末に発表した6月の運営方針によると、残存期間「1年超5年以下」、「10年超」が対象となる。  

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