21日の東京外国為替市場では、円が主要16通貨全てに対して上昇。日本株やアジア株、商品市況が全般的に弱含んだことが背景となった。

  ドル・円相場は1ドル=111円台前半で推移。朝方に米国が北朝鮮の核実験場での活動を確認したとの報道やアジア太平洋地域全般で株価が軟調に推移したことで、ドル売り・円買いが取引が進むに連れて優勢となっている。午後4時15分現在は前日比0.2%安の1ドル=111円19銭前後。一時は111円14銭まで下落した。

  ソシエテ・ジェネラル銀行の鈴木恭輔為替資金営業部長は、外為市場では「主要通貨で相場の動意につながるようなゲームチェンジャーが不在だ」と指摘。米金融政策についても、利上げサイクルやバランスシートの縮小そのものはいったん市場の焦点から外れ、「時間をかけて米国の雇用統計や物価統計を見ていく状況だ」と話した。当面は「米経済指標や株式、商品市況といったリスク資産の動向を見ながら、ドル・円は108-112円のレンジ相場となりそう」とみている。

  米金融政策をめぐっては、市場と金融当局で見方に温度差が出ている。ダドリーNY連銀総裁をはじめ多くの米連邦準備制度理事会(FRB)の高官は今週に入り、景気に楽観的で追加利上げの可能性を示唆している。ただ、フェデラルファンド(FF)金利先物を基にブルームバーグが算出した米利上げ確率は、9月が20日時点で16%程度、12月までは41%程度で、市場参加者は前週に引き続き慎重なことがうかがえる。

  りそな銀行総合資金部市場トレーディング室カスタマーグループの武富龍太クライアントマネジャーは、米インフレ指標が数カ月下振れていることを挙げ、「FRB高官らは下振れは一時的と強気だが、マーケットは不安になっている」と指摘。今週は「住宅指標が弱くなってきているのが気になる」とし、ドル・円は110円半ばまでの下落リスクもあるとした。

  今晩発表される予定の5月米中古住宅販売件数は、市場予想が555万件(季節調整済み・年率換算)と4月の557万件から減少するとみられている。

  豪ドルやNZドル、カナダドルといった資源国通貨は原油安に反応して軟調。20日のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)原油先物は終値ベースで直近高値からの下落率が20%以上となった。21日のアジア太平洋地域の株式市場が全般安いことも資源国通貨安に影響している。

  ポンドは続落。前日にカーニー英中銀総裁が利上げを急がない考えを示したことや、格付け会社S&Pグローバル・レーティングが欧州連合(EU)離脱交渉の終了前に英国の格付けを変更する可能性を示唆したことが重しとなっている。ソシエテGの鈴木氏は「当社ではハードブレグジットのリスクを7割とみており、中銀のスタンスと合わせてポンドは売り圧力が続きそう」と話していた。

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE