トヨタ自動車は、全面改良された主力セダン「カムリ」を米国で来月発売する。最も人気のあるバージョンの価格は従来より約900ドル(約10万円)高くなるが、最大4000ドル相当の機能が追加される。

  米国ではファミリー向け自動車の需要がセダンからスポーツタイプ多目的車(SUV)に移りつつあり、トヨタは新型カムリの投入でそうした流れに歯止めをかけることを狙っている。

2018年モデルのトヨタ・カムリXLE
2018年モデルのトヨタ・カムリXLE
Photographer: David Dewhurst Photography via Toyota

  カムリは過去15年間、米国で最もよく売れているセダンで、他社のセダンのように急激な販売減には見舞われていない。ただ需要の維持には大きなコストがかかっている。エドモンズ・ドット・コムによると、トヨタは今年販売されたカムリ1台当たり3258ドルの販売奨励金を提供しており、これは過去最高。それでも米国内の納車は今年1-5月に12%減少した。車内がよりゆったりとしたSUVに買い手が向かっていることが背景にある。

  北米本部長を務めるジム・レンツ専務役員はミシガン州ヨーク・タウンシップでのインタビューで、今回の全面改良がカムリの販売を「安定させる可能性は間違いなくある」と指摘。その結果、販売奨励金などを通じた割引は現在の水準と比べ、ごくわずかな額に減少するとの見通しを示した。

カムリXSEの内部
カムリXSEの内部
Photographer: David Dewhurst via Toyota

  乗用車に注力しているメーカーは多くない。米フォード・モーターは20日、米国内での販売が落ち込んでいる小型車「フォーカス」について、コスト削減のため北米生産をやめると発表。米ゼネラル・モーターズ(GM)は、3カ所の自動車工場で約3300人を恒久的に削減したほか、他の生産拠点で夏季の操業停止を延長すると発表している。

新部品を100%使用

  トヨタにとってカムリは依然として米国で「RAV4」SUVに次いで2番目によく売れている車種。同社幹部は、全面改良でそれを維持できると期待している。勝又正人チーフエンジニアはオレゴン州ニューバーグでのインタビューで、トヨタが2018年モデルでカムリを徹底的に改良したと説明。35年前の投入後では初めて、新しい部品を100%使用していると述べた。通常、新モデルに使われる新しい部品は3分の1程度という。

  21日の発表資料によると、価格は4気筒エンジンの基本モデルが2万3495ドル、V6エンジンの最高級「XSE」が3万4950ドル。米国トヨタ自動車販売のグループバイスプレジデント、ジャック・ホリス氏によれば、ミッドレンジのLEとSEの価格は平均で900ドル引き上げられる。追加された機能には、よりスポーティーなドライブを可能にするダブルウィッシュボーン式のリアサスペンションや8速トランスミッション、車両の前を横切る歩行者を感知する電子センサーなどが含まれる。

2018年モデルのトヨタ・カムリXSE
2018年モデルのトヨタ・カムリXSE
Photographer: David Dewhurst Photography via Toyota

  エドモンズのアナリスト、ジェシカ・コールドウェル氏は、乗用車からSUVへのシフトを鈍化させるには新型カムリの投入は不十分かもしれないと指摘。より多くの荷物を積め、最低地上高が高いSUVを消費者が好んでいるためだという。今年1-5月の米自動車販売で、乗用車の割合は38%にとどまった。12年には半分を超えていた。

原題:Toyota Redesigns Camry From the Ground Up to Slow SUV Defections(抜粋)

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE