債務超過解消に向けメモリー事業の売却手続きを進めている東芝は、21日午前に取締役会を開き、産業革新機構や米投資ファンドで構成する日米韓連合を最終的な売却先候補とするかどうか検討する。決定すれば同陣営と協議を進め、28日の株主総会までに正式に売却契約を締結したい考えだ。

  関係者によると、東芝は官民ファンドの革新機構や日本政策投資銀行、米ベインキャピタル、韓国半導体大手のSKハイニックスからなる陣営を最有力候補と位置づけているが、米半導体ブロードコムを中心とする陣営も有力候補として残っている。東芝は売却先が正式に決まれば開示する方針。

東芝本社
東芝本社
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  東芝は稼ぎ頭だったメモリー事業を4月に分社し、米原発事業での損失で陥った債務超過から脱却するため今期中の売却完了を目指している。別の関係者によれば、これまでの入札では買収額として日米韓連合が約2兆1000億円、ブロードコム陣営が2兆2000億円を示しているが、独禁法審査の見通しなども検討対象となる。

  ただ、東芝メモリの売却を巡っては、合弁相手の米ウエスタンデジタル(WD)が国際仲裁裁判所に売却の差し止めを請求している。東芝幹部は、こうした状況の中でも、まず優先交渉などを経て早期に売却先を決めたい意向を示した。しかしWDの問題が今後、障害となることを警戒している。

  21日の東芝株は上昇して始まり、午前9時44分現在は前日比1%高の333.8円で推移している。

  しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹運用部長は、売却先が決まれば「2期連続の債務超過が避けられる見通しが立ち、とりあえず不透明感もなくなるため、いったん買われるだろう」とみている。WDの問題は波乱要因として残るものの、東芝や買い手はその対応も想定しているのではないかと分析している。

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