生身のトレーダーがいないロンドンの小さなトレーディング会社XTXマーケッツは、昨年の為替取引ランキングで大手銀行を抜いて上位に顔を出し、一躍有名になった。そのXTXが今度は27兆ドル(約3000兆円)の米株市場に参入を目指している。

  XTXは設立からわずか2年だが、世界最大で最も複雑かつ最も飽和状態にある米株市場の既存勢力、米国のトレーディングの巨人と競争する上で必要な条件を備えていると経営幹部らは主張する。XTXはニューヨーク・マンハッタンの新たなオフィス開設や監督当局による認可の準備を進める一方、米2位の証券取引所運営会社バッツ・グローバル・マーケッツの躍進に一役買ったエリック・スワンソン氏の採用にこぎ着けた。同氏は今月入社した。

  ドイツ銀行のデジタルテクノロジー責任者を務めたXTXのザール・アムロリア共同最高経営責任者(CEO)は、スワンソン氏の加入により「米国でさらに重要なプレーヤーになるための足掛かりが得られる」と説明。「われわれがマーケットメーク(値付け業務)に望ましいと考えるクオンツリサーチドリブン・アプローチを提供していくつもりだ」と話す。

ライバルはバーチュやシタデル

  米ハイフリークエンシートレーディング(HFT、高頻度取引)会社バーチュ・ファイナンシャルやシタデル・セキュリティーズがXTXの最大のライバルになる見通しだが、アムロリア共同CEOは「高速ではなくスマート(賢い)」が目標だと述べ、これらの競争相手に動じる様子はない。同社は数分あるいは数時間のうちに証券の価格がどう動くか予測するためにテクノロジーを用いる。超高速ネットワークで得られた情報に基づき、トレーディングの決定を行う北米のHFT会社とは対照的な戦略だ。

  スワンソン氏によれば、マシンラーニング(機械学習)への集中的な取り組みがXTXをトレーディングテクノロジーの「第一線」に導いた。同社が市場に注文を出す方法とテクノロジーは、不利な取引を避ける迅速な回避行動が取れるよう万一の場合にシステムに素早く警報を発することが可能だ。広報担当のティム・モクソン氏によると、同社の社員数は78人にすぎない。

  XTXは、昨年のユーロマネー・インスティテューショナル・インベスターの調査で、スポット為替トレーディングで4位にランクされ、名声を得た。今年は12位と順位を下げたものの、引き続き健闘している。

原題:London Currency Trader Is Taking on World’s Biggest Stock Market(抜粋)

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