21日の東京株式相場は4営業日ぶりに反落。海外原油市況が9カ月ぶり安値を付け、足元の経済状況を懸念する売りに押された。鉱業や石油、非鉄金属など資源株が下げ、米国長期金利の低下や為替市場での円安一服を受け、銀行や証券など金融株、機械や海運株も安い。

  TOPIXの終値は前日比5.69ポイント(0.4%)安の1611.56、日経平均株価は91円62銭(0.5%)安の2万138円79銭。

  JPモルガン・アセット・マネジメントの重見吉徳グローバル・マーケット・ストラテジストは、日本株は「明確な上昇材料がない中で上昇してきた。強過ぎる」と指摘。米国景気は「長期的には後退方向。低金利による資金流入の継続期待から上昇してきた米国株には割高感があり、年初来高値を付けた日本株を押し戻す要因になっている」とも話した。

東証内
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Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  20日のニューヨーク原油先物は続落し、2.2%安の1バレル=43.23ドルと9カ月ぶりの安値を付けた。石油輸出国機構(OPEC)主導の減産が続いているが、世界的な供給過剰は解消されていないとの懸念が広がり、昨年8月以来の弱気相場入りとなった。ロンドン金属取引所の銅や亜鉛、ニッケルなども値下がり。国際商品指数のトムソン・ロイター・コアコモディティCRB指数は昨年4月以来の安値水準まで下げている。

  20日の米国株はエネルギー株の主導で反落し、S&P500種株価指数は0.7%安。米国債は反発し、10年債利回りは2.16%と3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)下げた。きょうのドル・円相場は1ドル=111円台前半と、前日の日本株終値時点111円58銭に対しややドル安・円高水準で推移した。東海東京調査センターの隅谷俊夫チーフストラテジストは、「軟調な米国経済指標が続いている上、原油市況がこれほど弱いと米経済も変調気味と言える」と指摘。商品市況の下げが続く中、「インフレ懸念はなく、米長期金利は上がりにくい。方向はドル安・円高」と言う。

  商品市況動向や、前日にTOPIX、日経平均とも年初来高値を更新した反動もあり、きょうの日本株は小安く開始。TOPIXは一時プラス転換する場面もあったが、午後は下げ幅を広げ、日経平均は一時100円以上安くなった。アセットマネジメントOneの浅岡均ストラテジストは、グローバルにみて「日本株は割安という見方が支えとなっていたが、割安感もだいぶ限界に近づいてきている」とみる。午後の開始前にはサウジアラビア国王が皇太子を解任、後任に現副皇太子を指名と国営サウジ通信が報道。先物中心に一時的に売りが増えたものの、野村証券の大越龍文シニア・エコノミストは、「ムハンマド副皇太子の路線でこれまで経済運営は行われていたため、原油市況に大きな影響が出る可能性は低い」と話していた。

  東証1部33業種は証券・商品先物取引、鉱業、非鉄金属、海運、石油・石炭製品、銀行、不動産、機械など26業種が下落。空運やガラス・土石製品、陸運、医薬品など7業種は上昇。売買代金上位では、ジェフリーズ証券が投資判断を下げたJTのほか、三菱UFJフィナンシャル・グループや東芝、クボタ、SUMCOが安い。半面、台湾メーカーのコンデンサーの値上げが好感された村田製作所や太陽誘電が高く、gumi、グリー、太平洋セメントも買われた。

  • 東証1部の売買高は16億3436万株、売買代金は2兆2640億円
  • 上昇銘柄数は589、下落は1330
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