MSCIは20日、中国本土上場の人民元建て株式(A株)をMSCI新興市場指数に組み入れると発表した。中国の世界金融システムへの統合に向け、画期的な一歩となった。

  中国A株は組み入れが検討され始めてから4回目のMSCI定期見直しで採用を果たした。この結果、6兆9000億ドル(約770兆円)規模の中国株式市場は上場投資信託(ETF)や確定拠出型年金(401k)などにおいて、より大きな役割を果たすことになる。さらに、人民元を世界通貨にするという習近平国家主席の望みの実現に近づく。

上海の株価ボード前に座る投資家
上海の株価ボード前に座る投資家
Photographer: Qilai Shen/Bloomberg

  新興市場指数に組み入れられる中国A大型株は222銘柄で、構成比率は0.7%にとどまる。しかし中国がさらなる改革を推し進めれば同比率は次第に上昇していく可能性がある。組み入れは2018年5月と19年8月の2段階で進められる。

  MSCIのマネジングディレクターで指数政策委員会の議長を務めるレミー・ブリアンド氏は、「世界の投資家はこの数年間、中国A株へのアクセス改善を活用してきており、ようやくMSCIが組み入れの第一段階を進める条件が全て整った」と述べた。

サウジアラビア

  MSCIはアルゼンチンを新興市場に分類替えするかどうかと、ナイジェリアをスタンドアローン市場に格下げするかどうかについては判断を先延ばしした。またサウジアラビアを、新興市場に分類替えする可能性があるウオッチリストに入れた。

  MSCIが14年に中国A株の指数組み入れを最初に検討して以来、中国市場は大きな浮き沈みや政府による大掛かりな介入を経験したほか、国内取引所と海外を接続するという外国投資家にとって好ましい動きも見せてきた。

  米財務省の元中国専門家で、現在はTCWグループでアナリストを務めるデービッド・ロービンガー氏は、中国A株の新興市場指数組み入れは「市場センチメントと中国への資金流入をある程度押し上げるだろう」と指摘。「さらに重要なのは、中国市場の開放を望む国内改革論者の立場を強めることだ。構成比率の低さは中国の組み入れで立場を異にする資産運用マネジャーの間の妥協の産物のようだ」と説明した。

  この日のMSCIの発表を受け、オフショア人民元相場は小幅上昇。中国本土株に連動する米国籍の上場投資信託(ETF)は大きく値を上げ、ドイチェXトラッカーズ・ハーベストCSI300中国A株ETFは時間外取引で一時3%高を付けた。

中型株

  MSCIのヘンリー・フェルナンデス最高経営責任者(CEO)は20日のブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、次回の見直しで「恐らく組み入れ率は上昇するだろう。今回は大型株の時価総額の5%だった。また中型株の組み入れもあり得る」と発言。「中型株はわれわれがとても重点を置いている分野であり、海外投資家が利用できる株の範囲を広げたいと思っている」と説明した。

  UBSウェルス・マネジメントの最高投資オフィスでアナリストを務めるルーシー・チュウ氏はMSCI指数組み入れによって、中国A株への資金流入は約80億-100億ドル押し上げられるだろうと述べた。
  
原題:China Secures MSCI Inclusion as $6.9 Trillion Market Goes Global(抜粋)

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