東京外国為替市場ではドル・円相場が約3週間ぶり高値。利上げに前向きな米金融当局者発言や日米株高を背景に、1ドル=111円台後半までドル高・円安が進んだ。

  20日午後3時47分現在のドル・円相場は前日比0.1%高の111円61銭。前日のニューヨーク連銀総裁発言に続くシカゴ連銀総裁の発言を受けてドル買い・円売りが先行し、午前9時過ぎには111円78銭と5月26日以来の高値を付けた。その後はもみ合い、日本株が取引終盤にかけて上げ幅を縮めると、ドル・円も伸び悩んだ。

  三菱UFJ信託銀行資金為替部為替市場課の池島俊太郎課長は、ドル・円の上昇について、米連邦公開市場委員会(FOMC)前に慎重化していた米利上げに対する「市場の見方の修正に伴うドルの戻しの範囲内」と説明。目先はフィッシャー米連邦準備制度理事会(FRB)副議長の講演が注目だとし、ある程度「タカ派的な期待」もあり、発言次第で112円台前半までの上昇余地はあると語った。

  ユーロ・ドル相場もドル買いが進んだ海外市場の流れを引き継ぎ、一時1ユーロ=1.1141ドルまで下落。同時刻現在は1.1160ドル前後となっている。

米金融当局者発言

  シカゴ連銀のエバンス総裁は19日のニューヨークでの講演で、2017年の利上げが2回か3回、4回かまだ分からないが、現在の環境は緩やかな利上げを後押ししていると述べた。一方、講演後には、より良いインフレデータを数カ月見ることが重要で、利上げを12月まで待つ可能性があると記者団に語った。

  前日の米国市場では、ニューヨーク連銀のダドリー総裁が米国経済について明るい見通しを示し、景気拡大を損なわないよう「非常に賢明な」金融引き締めを目指すと述べたことを受け、米国債利回りが上昇、ドル買いが進んだ。  

  20日にはフィッシャーFRB副議長が日本時間午後4時15分からアムステルダムで講演する。ボストン連銀のローゼングレン総裁もアムステルダムで講演、ダラス連銀のカプラン総裁はサンフランシスコで話す予定だ。米10年債利回りは20日の時間外取引で一時1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)高の2.195%に上昇。

  あおぞら銀行市場商品部為替マーケットメイク課長の渡辺秀生氏は、先週のFOMCのトーンから、米金融当局者がタカ派的なことを言うことはあり得るとし、「目先はドル・円の上があるかもしれない」と予想。もっとも、最終的には米経済指標の裏付けが必要になり、強い数字がついてこないと「どこかで上値は重くなるイメージ」と話した。

  19日の米株式市場ではテクノロジー株主導で主要株価指数が過去最高値を更新。20日の東京株式市場でもTOPIX、日経平均株価が2015年8月以来の高値を付けた。

  ブルームバーグ・データによると、円は主要17通貨の大半に対して前日終値から下落。三菱UFJ信託の池島氏は「米利上げも緩やかとある種心地よい環境にあり、クロス円(ドル以外の通貨の対円相場)は上がりやすくなっている」と説明。上田ハーロー外貨保証金事業部の小野直人ストラテジストは、「各国の金融政策会合や仏国民議会選挙などのリスクイベントを無難に通過し、投資家マインドが改善しつつある点が円の上値を重くし、ドル・円上昇を目先サポートしそう」と指摘していた。

  ユーロ・円相場は1ユーロ=124円台前半から一時124円62銭まで上昇し、今月5日以来のユーロ高値を更新。豪ドル・円は4月3日以来となる1豪ドル=85円付近まで豪ドル高・円安が進んだ。

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