20日の東京株式相場は3営業日続伸し、年初来高値を更新。米国金融当局者による景気へのタカ派的発言を受け、前日の米金利上昇や為替のドル高・円安推移が好感された。米テクノロジー株の復調も買い安心感を誘い、電機や機械、ゴム製品など輸出株、化学や非鉄金属、鉄鋼など素材株中心に高い。

  TOPIXの終値は前日比11.18ポイント(0.7%)高の1617.25、日経平均株価は162円66銭(0.8%)高の2万230円41銭。両指数とも2015年8月以来、1年10カ月ぶりの水準を回復した。

  野村アセットマネジメント運用調査本部の榊茂樹チーフ・ストラテジストは、「今回のFOMC後に米金融当局のスタンスに対し見方が分かれていたが、ニューヨーク連銀のダドリー総裁の発言で金利に対する先高観が回復してきた」と指摘。日本株の「地合いは企業業績を支えに比較的堅調な中、重しだった為替が円安方向に振れ、好感された」とみていた。

株価ボード前の歩行者
株価ボード前の歩行者
Photographer: Tomhoiro Ohsumi/Bloomberg

  ニューヨーク連銀のダドリー総裁は19日、米経済について「拡大局面がやや長期化しているが、実際のところまだ長く継続すると強く確信している」と述べた。また、金融当局の狙いは景気拡大を止めるのではなく、長期間維持できるよう金融政策を非常に賢明なやり方で引き締めることだ、とも話した。シカゴ連銀のエバンス総裁は、データは第2四半期の国内総生産(GDP)の力強い回復を示しているとし、「17年利上げが2回か3回、4回かまだ分からない」と発言した。

  金融当局者の発言を材料に、19日の米10年債利回りは2.19%と4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇。米国株はアップルなどテクノロジー株がけん引し、S&P500種株価指数は最高値を更新した。フィラデルフィア半導体株指数も4営業日ぶりに反発。きょうのドル・円相場は、一時1ドル=111円70銭台と5月26日以来のドル高・円安水準に振れた。前日の日本株終値時点は111円3銭。

  米景気への楽観と海外市場、為替動向が好感されたきょうの日本株は朝方から幅広い業種に買いが先行し、日経平均は一時250円高の2万318円まで上げた。みずほ証券投資情報部の三野博且シニアストラテジストは、日経平均の1株利益が1400円台に上昇している点に言及。「PER15倍で考えれば、日経平均は2万300ー400円がレンジの中心。上値を抑えていたドル・円が1ドル=113円程度の円安に進めば、15年の高値を超えることも可能」とみる。

  東証1部33業種はゴム製品、非鉄金属、化学、機械、ガラス・土石製品、その他製品、電機、鉄鋼、証券・商品先物取引、金属製品など28業種が上昇。ゴム製品は、SMBC日興証券がブリヂストンなど大手2社の目標株価を上げる材料があった。電気・ガス、不動産、石油・石炭製品、水産・農林、陸運の5業種は下落。

  売買代金上位では東京エレクトロンや村田製作所、スズキ、パナソニック、オルトプラス、住友金属鉱山、グリーが高く、17年5月期の営業利益速報値が計画を上振れたアスクルは急伸。半面、クレディ・スイス証券が投資判断を弱気に下げた長谷工コーポレーションは売られ、三菱地所、キリンホールディングスは軟調だった。

  • 東証1部の売買高は18億3654万株、売買代金は2兆5193億円
  • 上昇銘柄数は1532、下落は389
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